アブシンベルへの道
夜中、がんがんとうるさい音楽が聞こえてきて、
ちっとも眠れなかった。
宿泊者の誰かが爆音で音楽をかけたまま、
寝てしまったのだろうか。と思っていたが、
なんとそれは、ナイトクラブの音漏れであった。
ホテルに併設されているナイトクラブが毎夜、
明け方まで騒いでいるらしい。
さすがにこれが毎日続くと、眠れない。
抗議をしてみたが、どうにもならない。
部屋を替えてくれと言ったが、
満室(本当か?)らしく、駄目だった。
このまま我慢するしかなさそうだ。
どんなホテルも一長一短があるものだ。
ツアーバスは午前3時30頃迎えに来た。
小型バスは既に満席だった。
まさか。立ち乗りか?
私たちが突っ立ってると、
回りの人が補助席をだしてくれた。
座席のシートは座り心地が悪く、腰が痛い。
これで3時間か、、、、。
見ると、座席と座席の間は狭く、
他の客たちも窮屈そうに座っていた。
バスは凄いスピードで走り出した。
途中、大型観光バスがたくさん停まっているところで、
一旦停車した。
もしや、乗り換えるのでは?
一瞬期待に胸を膨らませたが、いつかのように、
まとまって移動するための集合だった。
やはり、窮屈なバスでアブシンベルまで行くことに変わりはなかった。
観光バスの中には、空席のあるものもあった。
あそこに乗せてくれればいいのに。
そんな願いも空しく、バスは再び走り出した。
うとうととしながら窓の外を見ると、いつの間にか外は砂漠。
ふと見上げると、真っ暗な空に星が輝いてた。
星々はどれも大粒で、まるでプラネタリウムのようにはっきりと見えた。
オリオン座の中心の三つの星が一際目立っていた。
やがて、日が昇り、回りが明るくなってくる。
アスワンハイダムによって出来たナセル湖が見えてくると、
ようやく、アブシンベル神殿に到着した。
窮屈なバスから降りると心地良い風が吹いていた。
早朝は涼しい。
多くの観光客に混じってチケットを買う。
一人81ポンド(約1620円)。さすがに高い。
5分程歩くと、あの有名な4つの巨像が見えてきた。
神殿は朝日に照らされて美しく輝いていた。
神殿奥には春分と秋分の日に太陽の光があたるという、
ラメセス2世と神々の像が照明に照らされていた。
神殿内の壁画は綺麗に照明で照らされ、
まるで美術館の中のような部屋もあった。
もともとの神殿はもう少し下の位置にあり、
そのままだとダムによって出来た湖に沈んでしまうため、
今の位置に移築したというが、
良くこんな大きなものをそっくりそのまま移動できたものだ。
私には神殿そのものよりも、そちらの方が興味深かった。
つづく(yo)
