デンデラ ハトホル神殿
朝7時半。車が迎えにきた。
車は黒のトヨタのカローラだった。
デンデラも含め、ナイル川中域への移動は、
治安維持の関係上、警察の付き添いが必要だった。
この辺りは、過去テロ事件が発生しており、
旅行者保護の観点から、
単独での移動は制限されているらしい。
そうであるので、車は一旦、一箇所に集合し、
まとまってグループ移動をすることになる。
ようやく目的地へ向けて出発したのは、
8時になってからだった。
移動中は行く道々で警察が交通規制をしており、
その間を観光バスや私たちのような車が連なって走っていく。
先頭と最後尾にはおそらく護衛車がついているのだろう。
それは、まるで大統領か王族の移動のようであった。
車内は冷房が効いて快適。
運転手は丁寧な運転を心がけており、
無駄口を叩かない。
他の車と比べても確かに私たちの車だけ、
頭1つ分高級そうである。
さすがに、350ポンドするだけはあるようだ。
しかしそれは、私たちには必要ではない。
移動手段は、やっぱり安いにこしたことはない。
神殿には、1時間半ほどで到着した。
砂漠の道をひた走るのだろうと想像していたのだが、
道は舗装され、走りやすく、
回りの景色もルクソールとそれほど変わりはしなかった。
到着すると運転手は、
2時間後に戻ってくるようにと言った。
帰りの時刻も決まっているようである。
保存状態の良いハトホル神殿。柱の顔はローマ軍に破壊されたらしい
遺跡内は人もまばらで、非常に見やすかった。
ハトホル神殿内の壁画は綺麗に残っている部分が多く、
見応えがある。
警官が巡回しているのだが、暇であるのか、
頼んでもいないのに案内してくれたりした。
バクシーシ目当てなのかとも思ったが、
そうではないようであった。
しかし、警官ではない係りのおっさんは、
バクシーシ目当てのようで、こっちへ来い。
ここを見ろ。などと言っては、お金をせびってくる。
それでも、地下に入れてくれたり、
聖なる泉へ連れて行ってくれたりと何かと楽しめたので、
ケースバイケースでお金は払うことにした。
この遺跡には他では、
見られないクレオパトラのレリーフがある。
しかし、私たちが見ても、
あ!クレオパトラだ!
と思える訳はなく、
これがクレオパトラですよ。
と言われて、初めて分かるものであって、
実際問題さしたる感動は無かった。
ただ、珍しいものを見られた!
というような満足感があるばかりであった。
神殿南側の壁画にはクレオパトラが描かれている。
1番手前がクレオパトラらしい
とはいえ、ここの遺跡は保存状態も良く、
なかなか見応えがあり、
帰る頃には2人とも十分満足していた。
出発する前、なぜかオーナーがしつこく、
最後にチップを渡すようにと言ってきたのが気になったが、
ホテルに戻ると運転手にわずかばかりのチップを渡した。
運転手は金額も確かめずに、黙って受け取った。
立ち居振る舞いから、育ちの良い人のようであった。(yo)