はじめてのルクソール1
バスは砂漠の荒野をひた走る。
時折、石造りの建物を見かけるが、
他には何も無い。
見渡す限りの砂漠。
と、突然。
視界に緑が飛び込んでくる。
はじめはチラホラと見えるだけだったその緑は、
みるみるうちに拡がっていき、
やがて小川が現れ、家々が増え、
いままで続いていた砂漠が、
まるで嘘であったかのように、外の景色は一変した。
ルクソールのバスターミナルは、
市内から大分、離れていた。
バスが到着すると、
宿の客引きらしきおじさんが、
早速、声を掛けてきた。
6人乗りのワゴンには欧米人が先に乗っていた。
彼らは目当てのホテルがあるらしく、
車はそこまで行くらしい。
1人2ポンド(約40円)だというので、
便乗することにした。
市内までタクシーで行くと、
25ポンド(約500円)もかかるらしいので、
これはありがたい。
10分ほどで車はオアシスホテルに到着した。
場所を確認すると、
ルクソール駅に程近い便利なロケーションだった。
一応、部屋を見せてもらう。
カイロに比べると値段はかなり安かったが、
あいにく、エアコン、トイレ、シャワー付きの部屋は一杯。
ルクソールはカイロよりも相当暑くなるので、
ファンだけだと心もとない。
あきらめて、別の宿をあたることにした。
ガイドブックに載っている宿に目星を付けて、
早朝の街を歩いていると、おじさんが声を掛けてきた。
フォンタナホテルのオーナーだった。
エアコン付きで、1泊35ポンドからあるという。
やたらとフレンドリーな口調に、
部屋だけでも見せてもらおうとついていった。
ロビーに到着すると、まだ部屋は掃除中らしい。
掃除が終わるまで、お茶でも飲んで待つ事になった。
お茶を飲みながら、オーナーは話し出した。
たわいのない雑談から、
話題はいつの間にかツアーの話へ。
王家の谷とルクソール近郊のデンデラ遺跡のツアーを勧められた。
デンデラのことはカイロで、
同じ宿に宿泊していた人たちから、
すごく良かったと薦められていたので、
是非行きたいところだが、
料金は2人でなんと350ポンド(約7000円)。
確かその人たちは、
1人35ポンドで行ったというように聞いていたのだが、
350ポンドの聞き間違いだろうか?
いや、でも安くで行ったと言っていたからなぁ。
その事をオーナーに言うと、それはありえないと言って、
ロンプラのコピーを持ち出してきた。
そこには、デンデラへの車チャーター代
300~400ポンドと書いてあった。
王家の谷の方も2人で195ポンド(約3900円)もする。
まぁ。でも行くか行かないかは別問題だしなぁ。
その時はそう思っていた。
つづく(yo)
