皇帝廟とサノバビッチ | いってみよう! 夫婦で GO!GO! 世界一周。

皇帝廟とサノバビッチ

朝8時。ホテルのロビーでツアーの迎えを待つ。
てっきりバスが迎えにくるのだとばかり思っていたら、
ホテルに来たのはバイクだった。


8時半にやってきたそのバイク2台は、遅れてヤバイと思ったのか、
朝の混雑した道を猛スピードで飛ばした。


着いたのは川岸、ボート乗り場。
バイクの少年たちは私たちを降ろすと、何も言わずにまた引き返していった。

どのボートに乗ればいいのか分からず、しばし呆然。


と、あるボートのおばちゃんが手招きしてきた。

ようやくボートに乗り込むと、どうやら私たちが最後のようだった。

ドラゴンボートと呼ばれるこのボートは、
大体15、6人程が乗れる位の小さいもので、先頭に龍の頭がついている。

ガイドは女性だった。なかなかかんじの良い人だった。


boat
ドラゴンボート


hasu
フェスティバルのためか、川には巨大なハスが浮いている



船が出発すると、ほどなくしておばちゃんが、ランチメニューを聞きにまわり始めた。
「確か昼食は含まれているんじゃなかったか」と疑問に思ったが、
他の客もそうだったようで、おばちゃんに確認しつつ断っていたようだった。
しかしそんな中、注文した人もいるようだった。


一通り注文が一巡すると、
なにやら後ろの方で「サノバビッチ!」「アンビリーバボー!」と怒鳴り声が聞こえてきた。
サノバビッチなんて言葉、はじめて生で聞いたなぁ。とやや興奮気味に振り返ると、
ある客のおばちゃんが私の隣に座っていた女の人に向かって英語で何か言っている。


どうやら、その女の人はランチを注文したらしく、おばちゃんはその事について、
「なんで昼食がついてるのにわざわざ注文するのか信じられない」と言っており、
「英語理解できてんのか」的なことまで言っていた。


最初は家族なのかなと思っていたが、どうやらまったくの他人らしい。
後から分かった事だが、このニューヨーカーのおばちゃんはお節介をやいていたようである。
おばちゃん曰く、ニューヨーカーは思ったことをついつい口にしてしまうんだとか。
この女の人にも親切で教えてあげていたみたいである。
実は良いおばちゃんだった。少々口が悪いが。。


ボートはまずはじめに、ティエンムー寺に止まった。
到着するとガイドは帰りの時間だけ告げるとボートに残った。
「自分達で勝手に見て来い」という。どうやらそういうシステムのようだ。

仏教寺院であるこの寺は八角形の塔がシンボルでなかなか美しい。
奥のお堂には仏像が奉ってあり、線香の香りに心が落ち着いた。


thienmu
ティエンムー寺


次にボートが向かったのは、トゥドゥック帝廟。
阮朝でもっとも在位が長かったというこの皇帝のお墓は川から少し離れており、
バイクに乗り換えて向かうという。
帰りの時間だけ告げられ、ここでもガイドは同行せず。
船から降り、川岸を登るとバイクが待っていた。


バイクで走ること2、3分。お墓の前にはみやげ物屋が並んでいた。
入場料一人55000ドンは別途払わなければならない。

トゥドゥック帝廟はお墓というより、広大な庭園がある別荘といった風だった。
日本人の団体客の日本語ガイドを盗み聞きしたところによると、
この皇帝は100人以上のたくさんの妻が居ながら、子供が一人も出来ず孤独だったらしい。

広い敷地を歩き回っていると、あっという間に時間が過ぎる。
指定された1時間はすぐにやってきた。

名残惜しみながら後にする。


tuducike
トゥドゥック帝廟内の池


tuduckougou
トゥドゥック帝の最初の妻の墓


入り口を出るとほどなくして、バイクが迎えにやってきた。

バイクにまたがり同じように船着場まで戻る。


到着した時、事件はおきた。

バイク乗り場にはちょうど商店があり、
おばちゃんたちが水とか飲み物とかを観光客相手に売っているのだが、
そのおばちゃんの一人が私を乗せてくれたバイクのおっさんにビールを手渡し、
私に向かって「フォーヒム」と言って来た。どうやら、おごったれと言っているようだった。
いくらだと聞くと、20000ドンと言う。相場では大体、8000~10000ドンである。
明らかにぼったくっている。


しかし、この時なぜか私はオッケーと言ってしまった。
ビールを手にしたおっさんの笑顔に負けたのか、
ちょっとくらいチップ代わりにあげてもいいかなと思ってしまったのである。

立て続けに、おばちゃんは水を売りつけようとしてきた。15000ドンだった。
これも相場では5000ドンほど、3倍ものぼったくりである。


さすがに高い。と渋っていると、
(別に買わなくても良いのに、この時なぜか自分の中で買う前提になっていた)
別のおばちゃんが小声で、さも特別だといわんばかりに10000ドンと言って来た。
それでも全然安くないのに、そのときの私はなぜか水を買うことにした。

おっさんのビールと合わせて30000ドン。
50000ドン渡して、お釣りをもらおうとしたら、中々渡してくれない。


すると、ユリの乗ったバイクが到着した。
すかさず、おばちゃんはその運転手にも飲み物を渡して、「彼にもあげて」と言い、
飲み物代として20000ドンを要求し、私はまたしてもなぜかオーケーしてしまった。
(因みにおばちゃんが手渡した飲み物はコーラだった。コーラは普通6000~8000ドンほどである。)


この後、当然の如く、ユリに怒られた。
バイクのおっさんの賃金もちゃんとツアー代金に含まれているはずで、
別にチップをあげる必要なんてないし、あげるにしても高すぎる。
普段、出来るだけ安くあげようとしているのになぜそんな事をしたのか。

自分でも分からない。ちょっと良いカッコしたかったのだと思う。


その後良く考えてみると、
おばちゃんに言われるままに払っていた自分が、急に情けなく思えてきた。

自己嫌悪。
せっかくツアーにきているのに、その後の気分は最悪である。
ユリにも悪い事をした。


この日、本当のサノバビッチは私だった。
まぁ。日本円にしてたかだか320円くらいなんですが。。。。(yo)