中学受験に挑戦する子供の親を悩ませるのが、1月に学校を休ませるかどうかという問題ではないかと思います。うちの子は学校が大好きだったので、1月に学校の先生にも友達にも全然会えずに家で受験勉強だけになってしまったら、かえってストレスになるのではないかという点が気になって、かなり迷っていました。

 通わせる場合の最大のリスクは病気をもらってしまうことですが、1月初旬の入試の後で1週間学校に通わせ、その後はまた2月1日に向けて休むとすると、学校に通った間に病気をもらってしまったとしても、翌週に発症して数日で治るとすれば、2月1日には間に合う計算です。学校を休ませたとしても塾には通いますから、そこでもらってしまう可能性は結局残り、学校を休ませることで病気をもらってしまうリスクをどれくらい下げられるのかは正直、よくわかりません。夏の時点では、そうしたことを考えると、少しでも学校に通わせてやった方が気分転換になり生活リズムも維持できて良いのかもという方に傾いていました。

 しかしその考えは、夏休み明けに吹き飛ばされました。9月になって子供が学校に通ったら病気をもらってしまい発症、そこから数日寝込んで治るところまでは想定内でした。ところがその病気を親がもらい、家庭内で親が順番に寝込んでしまうという事態が起きました。しかも親の方は子供よりも治りが遅い。結局子供が発症してから数週間、家庭内でいつも誰かが病気という状態が続きました。今までも何度も経験していたはずなのに、子供から親に病気がうつるリスクを織り込むのを完全に忘れていたのです。以前は、受験前も少しは学校に行きたいかもと言っていた子供も、その経験を経て、1月は学校は全部休むほうがいいなと言うようになりました。

 そんなわけで、病気のリスクをとにかくできるだけ小さくするということを優先し、1月は学校は完全に休ませ、受験勉強に専念することにしました。学校で先生や友達に会うことはできませんでしたが、サピで先生や友達に会うだけでも十分だったようです。サピの教室の雰囲気が和気あいあいとしていて、面白く親しみやすい人柄の先生が多かったこと、友達とも勉強の時には競争しあっても普段は仲良く話せるような関係であったことが大きかったように思います。

 受験が終わり、子供が通学を再開したら、見事に1週間ちょっとで病気をもらってきました(苦笑)。結果論ですが、我が家の場合は、あの判断でやっぱり良かったのかなと思っています。

 子供が学校を好きかどうか、親の片方が平日も家にいて子供を見られるかどうか、塾の教室がどんな雰囲気か、親子の免疫力の強さなど、さまざまな要素によって出すべき答えが変わる問題かと思いますが、1つの例として参考になればと思います。