2023年6月、性的少数者に対する国民の理解を広めるための法律、通称「( a )理解増進法」が制定されました。その背景として、近年、差別的な扱いを受けてきた性的少数者が声をあげ、司法の場で国の制度の是非が問われてきたことが挙げられます。東京では、毎年4月に、性的少数者が差別や偏見にさらされない社会の実現を目指すイベントである東京( b )パレードが実施されており、同様のイベントが日本全国で展開されています。2019年には、法律上の性別が同じカップルが結婚できないことは憲法違反だと訴える人々による集団訴訟、いわゆる( c )訴訟が始まりました。2023年6月までに5つの地方裁判所で判決が言い渡され、5つのうち4つの判決で違憲と判断されています。こうした問題に対処するため、法律上の婚姻関係を結ぶことができないカップルに「結婚に相当する関係」とする証明書を発行し、様々なサービスや社会的配慮を受けやすくする( d )制度を導入する地方自治体も増えています。ただ、そうした制度の導入には慎重な自治体もあり、性的少数者がすべての自治体で同じ水準のサービスや配慮を受けられる状況には至っていないのが現状です。

 

1.( a )に入る言葉を、アルファベット4文字で答えなさい。

 

2.( b )には、性的少数者の権利を求める運動の国際的なシンボルカラーを示す言葉が入ります。その言葉をカタカナで答えなさい。

 

3.( c )に入る言葉を、漢字3文字で答えなさい。

 

4.( d )に入る言葉を、カタカナで答えなさい。

 

5.( d )制度によって受けられるサービスや社会的配慮は、具体的にどのようなものが考えられるでしょうか。具体例を1つ挙げなさい。

 

※2023年は性的少数者のテーマで重要な年でした。クイズというより試験問題そのもののようになってしまいましたが、まとめて理解する方がわかりやすいかと思います ^^

※上記法律は、もともと性的少数者の当事者をいじめや差別、偏見から守るために制定が求められたものでしたが、法案をめぐる議論の中で「保守派」と呼ばれる人たちが「一般女性も守る必要がある」といった主張を展開して法案の文言が修正されました。「保守派」の人たちはなぜそう主張しているのか、その主張をどう評価したらいいか、色々な主張をする当事者の意見を調べながら一緒に考えてみると良いかもしれません ^^

※この問題との関連で、「性自認」という言葉の意味も押さえておくと良いかもしれません。英語の「ジェンダー・アイデンティティ(gender identity)」に対応する言葉ですが、英語の「アイデンティティ」という言葉が生得的なものにも普通に使われるのに対し、「自認」という言葉は、個人が自覚的に選ぶもの、というニュアンスが強いような気がします。上の論争には、この訳語の選び方が微妙に影響しているのではないかなあと、考えたりしました。