子供が5年生頃になると、学校説明会のことが気になり始めます。我が家も説明会に行こうと思ったのですが、ミライコンパスで申し込みしようとしても枠がすぐに埋まってしまったり、予定が合わなかったりで、なかなか説明会に行くことができませんでした。

 全然行かないのはまずいと思って、第一志望の学校と栄東中学校だけは、なんとか日程をやりくりして学校説明会に行きました。率直に言って、より強く印象に残ったのは栄東中学校でした。教育方針やカリキュラムの説明、施設案内等の一般的な内容に加えて、入試のシステム、出題傾向等々、同校の受験を考えている親が知りたい内容を懇切丁寧に教えてくれます。

 栄東の入試システムは本当に独特です。AB日程と東大特待I, IIの4種、合計5日に分けて複数回入試を実施し、もし前半の入試で結果がダメだったら追加出願して後半も受けられる(追加費用は差額分だけその時払えば良い)、B日程では複数回受験を「栄東への熱意」と解釈して加点してくれる等々、受験生と保護者にとても優しいシステムです。子供がもし本番でうまくいかなかったらというリスク管理を担当する親の立場からすると、栄東のシステムは本当にありがたい。さらに、結果発表では合否だけでなく各科目の得点と受験者平均点、全体順位まで開示してくれるサービスぶりです。

 学校説明会の説明では、そうした栄東の優しさが随所に滲み出ていました。「出願の際に志望校を聞きますが、第一志望で本校の名前を書いてもらう必要は全くありません、第一志望は本校よりも難易度が高い学校を目指しているお子さんたちに、ご縁があったら入っていただきたいと思っています」と率直なコメントもあり、社交辞令は一切無用なのだと感心しました。問題も、東大特待はとてもハイレベル。他の親御さんのブログなど拝見していても、超難関校に合格したというお子さんでも栄東の東大特待で合格が出なかったりしているようです。栄東の独特の入試システムはネット上の情報だけではわかりにくいですし、変更も頻繁に行われているようなので、受験を検討される方は、学校説明会にはぜひ足を運ぶと良いと思います。

 自分で申し込む学校説明会にはほとんど行けなかった我が家ですが、最終的にはその他の学校の説明会にも参加することができました。サピには、6年生の秋以降に、自分の志望する学校やそれに近い学校の校舎を会場とする模試「合格力判定サピックスオープン」を受ける機会が全部で4回あって、その模試の日には送迎のため当然親子でその学校を訪れることになります。すると、子供が模試を受けている間に、待っている保護者を対象にして説明会を開いてくれることが多いのです。栄東は5年生の時に説明会に行っていたんですが、6年生になってこれがあるとわかっていたなら5年生の時の学校説明会参加は正直不要だったなあと思いました。6年生の夏までに参加するイベントは、この模試で会場になっていない学校の説明会や、学校説明会では見られない生徒たちの様子や学校の雰囲気を体感できる文化祭などを優先するのが効率的ではないかと思います。

 サピックスオープンは、サピ生ではない一般の生徒さんたちにも開かれているようですので、他の塾に通っていても、この模試はぜひ受けておくと良いと思います。本番で試験を受けるのと全く同じ環境で模試を受けられるので、その学校に行くまでの交通ルートの確認も含めて、シミュレーションとして、とても役立ちます。もしかしたら他の大手の塾などでも同じような機会があるのかもしれませんが、どうなんでしょうかね。