2024年2月、元文部大臣で日本ユニセフ協会会長の赤松良子氏が亡くなりました。赤松氏は、労働省職員であった時代から男女平等の推進に取り組み、1985年の( a )制定に尽力しました。この( a )には当時、財界からの反発が根強くありましたが、赤松氏は、日本が( b )の批准をするために必要な国内法であり、批准できなければ日本が先進国としての立場をまずくすると訴えて説得し、制定の実現に貢献しました。その後日本では、1999年に( c )、さらに2018年には( d )が制定されましたが、男女の格差はいまだに埋まっていないのが現状です。実際、( d )施行後に衆参いずれも選挙が行われたにもかかわらず、2023年現在、日本の女性議員の比率は、衆議院でおよそ10%、参議院でおよそ26%程度にとどまっています。世界経済フォーラムが毎年発表している男女格差の度合いの指標・( e )指数(数値が大きいほど男女平等であることを示します)では、2023年の数値で146ヶ国中122位と、過去最低を記録しました。特に政治の分野では政治が世界最低クラスの138位と、( d )の効果がまったく上がっていないことが明らかとなりました。( d )では候補者数の男女均等は努力目標として政党に求められているだけで、政党の義務ではなく、実現しなくてもなんの罰則もないことが、( d )が実効性を持たない原因として指摘されています。赤松さんは、女性の政治進出を推進するため、候補者数や議席数の一定割合を女性に割り当てる( f )制を求める運動、通称「Qの会」を主導していました。日本でも、そうした制度の導入を含め、政治の世界における男女平等を一層推進するための方策を検討することが求められています。

 

1.文中の( a )〜( d )に入る出来事を、以下のア〜エから選びなさい。

 

ア 男女雇用機会均等法

イ 男女共同参画社会基本法

ウ 候補者男女均等法

エ 女子差別撤廃条約

 

2.( e )と( f )に入る言葉を、それぞれカタカナで答えなさい。

 

※前回に関連して、ジェンダー平等関係で、赤松良子さんの訃報に関連した問題を作ってみました。年号など暗記していなくても、ほとんど問題文の文脈で判断できますので、挑戦してみてください^^

※赤松さんがQの会を主導し、その活動の成果もあって( d )が制定されたので、赤松さん訃報へのコメントなど見ていると、日本でも( f )制が実現されたと勘違いしている方がいるようです。そうではない点、ご注意ください。この法律の通称も、ちょっと誤解を招きやすいのではと感じています。

※なぜ日本で( f )制導入がなかなか進まないのか。その答えが、( d )の2条にある「政党その他の政治団体の候補者の選定の自由、候補者の立候補の自由その他の政治活動の自由を確保しつつ」という言葉から見えてくるような気がしています。特に日本の衆参の選挙制度との関連で考えると、たしかに( f )制の導入がさほど容易ではない側面もあるようにも思えます。これは高校の授業で扱うくらいのレベルの話題かもしれませんが、( f )制度がどうして日本の政治の世界で支持されないのか、子供と一緒に考えてみるのも良いかもしれません。