おはようございます。

 昨日も、9つものいいねをいただきました。また、昨日はブログを見にきて下さった方が一昨日に比べてかなり増えたようで、とても驚いています。皆様、本当にありがとうございます。

 うちの子は小さい頃、ポケモンにハマった時期がありました。それで、ポケモンキャラクターの図鑑を食い入るように見ていたり、小学校低学年の頃は夏になるとJRのポケモン・スタンプラリーをしたりしていました。実は私は、キャラクターを一生懸命覚えても実社会と全く関係ないポケモンなんてくだらない、だったら幼稚園の時のように魚や恐竜にハマってくれたらいいのに、と密かに思っておりました。典型的な「まじめな親」です(苦笑)。

 子供の中学受験を経て、そんな自分がいかに愚かだったかを思い知りました。

 中学受験では、東京に関連した問題が出てくることがあります(東京都内の学校の場合)。山手線の駅の位置関係くらいは、当然理解しておくことが求められます。大人になれば当たり前のように思えるそんな知識も、子供にとっては全然当然ではありません。これは山手線の駅を覚えるためのゲームでもやらなきゃダメかなと思っていたら、そんな必要はないことがわかりました。

 ポケモンが大好きだったので、ポケモン・スタンプラリーが本当に楽しくて、どの駅がどのキャラクターだったかを今でもよく覚えている、あの駅はあのキャラだった、あの駅はこのキャラだった、あの駅では改札を出て〜〜を買って食べた、など、スラスラと駅の名前や当時の記憶が出てくるのです。子供の頭の中では、それぞれの駅が特定のポケモンキャラと結びついて記憶されているみたいでした。

 記憶とは、脳の中の神経細胞のネットワーク。単なる駅名や路線図マップだけの抽象的な情報を記憶するのは大変でも、それぞれの駅が具体的なイメージ、体験と結びついていれば、記憶はより強く、深く残ります。暗記のための語呂合わせも、音やリズムと結びつけることで記憶を強く・深くする手法ですよね。ポケモン自体は作りもの、バーチャルな空間だけの存在であっても、それがリアルな体験と結びつけば、実社会の理解・記憶を助けてくれるものにもなるのだなあと思いました。そういえば、ポケモンGOが流行した時、引きこもりの人が自分から外に出て行こうとするきっかけとなり、引きこもりの改善に役立っている、なんていうニュースもありましたね...

 アニメキャラだろうが恐竜だろうがトミカだろうが、ある特定のものに関心を集中させてコレクター魂を発揮させること自体が子供の脳にとってとても良いんだ、なんていう話をどこかで読んだこともあります(うる覚えですみません、情報の参照元を思い出せず探しても見つからないので、見つけたら追記します)。確かに子供って、これ全部暗記しろって言ったら大人でも絶対無理な数のキャラを、全て正確に覚えて特徴を完璧に説明したりできますもんね... 子供が満足するまでトミカを収集しようとしたらかなりお金かかりそうですが、ポケモンなら図鑑1冊で子供のクレクター魂は大満足。子供はすごく親孝行してくれていたのかもしれません(笑)。

 そんなわけで、自戒を込めて、特に小学校低学年くらいまでのステージの子供の親御さんたちにアドバイスです。自分の価値観でくだらないと思って、子供がハマっていることを頭ごなしに否定しないようにしましょう。せっかく脳がすくすくと育とうとしているのに、その芽を摘んでしまうかもしれません。

 他方で、じゃあ子供の好きなテレビは全部見せて好き放題させれば良いかというと、それも多分違うのだろうと思います。その辺りのバランス、子供の手綱を放して思いっきり好きに走らせるタイミングと、手綱を引いてブレーキをかけるタイミングを、見計らうのが親の仕事なのでしょうね。

 もちろん、これを読んで「ポケモンスタンプラリーは山手線の暗記にいいらしい!今年はあなたもやりなさい!」などと子供におしつけるのは全く無意味なことですので、くれぐれもご注意を(中学受験の世界では、そういう親御さんも少なくないようです)。子供がもともと好きだからこそ、こちらから言わなくても嬉々としてやり、それが結果として脳に良いのであって、好きでもないのに無理やりやらされたら苦痛でしかありません(私も、命令されたらスタンプラリーはやりたくありません 笑)。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」で、山手線の路線図まで嫌いになってしまっては、逆効果でしかないですよね...

 子供を連れ出そうとする時は、「今年はやってみる?楽しそうだよ?」と声をかけてみて、もし乗ってきたら親の下心は一切出さずに、ただひたすら子供と一緒に楽しみましょう。もしこちらの思惑通りにはいかずに駅名は記憶として全然定着しなかったとしても、親子の夏の楽しい思い出がひとつ増えれば、それで十分ではありませんか。

 3連休は子供と一緒にゆっくり過ごそうと思います。また連休明けに再開いたします(多分)。皆様どうぞ良い3連休をお過ごしください。