『イラスト版 子どもの感情力をアップする本-自己肯定感を高める気持ちマネジメント50』
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育児や教育の本では
『子どもの気持ちに耳を傾けよう。そのうえで、選択肢を与えて、選ばせよう』
ということがよく書かれていると思います。
まったく同感なのですが、
そもそも、その自分の気持ち(感情)について、私たちはどれほど意識的でしょうか??
私自身、大人になるにつれて感情をどこかに追いやることが多かったように思います。
特に、何か目標や目的があって、それを必死になって追い求めるとき、
・苦しいけど、もう少し頑張ろう
・好きではないけど、安いからこれにしよう
・嫌だけど、仕方ない
・好きだけど、意味がないからやめておこう
・楽しいけど、時間がないからやめておこう
必死になって結果を求めるうちに、私は感じることを無視するようになりました。
もちろん、その時に意識していた結果は“自分のため”のもので、“自分で決めた”と考えていたのですが、
その間、私はただただ無心でタスクをこなし、思考を働かせていました。
それなりに結果は出ました。
もちろん達成感や満足感はありましたが、私には大きな違和感もありました。
それは、私はその時、仕事で結果を出すことに夢中になっていたのですが、
仕事以外の時間が苦痛で仕方なかったからです。
「何もしないまま一日が終わるのが辛すぎる」
帰宅時、夜道を歩きながらいつも絶望を感じていました。
実際は1日12時間以上は仕事をしていたので、何もしてないはずはないのに。
実際にこの時、「好きなことをしてみよう」と言われても、
好きなことがわからないし趣味もない。私はそんな状態でした。
感情というのは、一人一人が自分で在るためにとても大事なセンサーです。
幸せは感じるものと思いますが、そもそも感じられなかったたら幸せにまったく行きつきません。
前のブログでも書きましたが、何か嫌なことを感じた時、それを感じ取って方向修正することで
人は自分の望むほうに進んでいけます。
この書籍の冒頭にこのような文言があります。
(略) 子どもの知力に関心を持ち、そこに重きを置きたがる大人たちは、日々学習させようというモードになり待ちです。
そのために、「早く早く!」「なんで、わからないの?」「さっきも言ったでしょう!」が常套句になってしまい、子どもたちが新しい感情を育み、豊かな知恵を学んでいく意欲を奪ってしまっているようにさえ感じます。
その結果でしょうか、知識をいっぱいに詰め込んでも、たくさん勉強しても「楽しくない」「どうせ自分なんて」と、学校に通う足取りが重くなっている子どもたちが増えてきたように思います。
「不思議」「面白い」「ワクワク」といった感情が伴うからこそ学ぶ意欲が生まれ、人から認めてもらったり、ほめてもらうことで、元気が出たり、自分に対する自身が生まれます。
保育・教育の現場に身を置いていると、世の中のさまざまな出来事や人間関係から感情が発達していく回路、感動や喜び、怒りやかなしみを感じとる「気持ちセンサー」が十分に機能してない子どもたちに出会うことがあります。
この本では、感情の回路をつなぎなおし、センサー機能を発達させるために自分の気持ちを調整したり、自分や他人の気持ちに気づかせる方法やコツを教えるワークが50ほどあります。
あの頃から、私はずいぶん回復しました。
その経験の学びとして、感情を見過ごさないようにしたいと今は強く思っています。
幼い息子に対して、また、自分自身に対して、
自分の中にある感情は、自分だけの大事なものとして自覚的になってほしい
という願いと自戒を込めて、この本を自宅の本棚に並べています。
(同じシリーズで、アンガーマネジメントとかレジリエンスもあったのですが、それ以前の話。
純粋に、感情を感じる力を大事にしたいと思いました)
ちなみに
私の息子はまだこのワークを本格的にできる年齢ではないで、
■息子の感情を代弁する
■親である私が自分の感情に意識的になる
■親である私が自分の感情をコントロールして行動する(感情を暴走させない)
これらに努めているところです。