先日、読了しましたこちらの本、
『夜と霧』
そこから学んだことととして、私は
強制収容所に入れられて無差別に迫害を受けている状況でも、
自分の在り方、自分のふるまいは自分で選べるということを書きました。
これは、『自分が苦しい状況に直面した時』の考え方として、
参考になるものと思うのですが、補足して、私が思うところを書きたいと思います。
というのも、上記を誤って解釈して
“環境と自分自身は関係ないはずだから、今は苦しみを感じているけど乗り越えるべく頑張ろう”と考えたり
“環境と自分自身は関係ないのだから、自分を強く持って乗り越えろ”と言われたことを真に受ける
ということを、私は決してしてほしくないからです。
なぜこんなことを言うかというと、まさに私自身が、そうして自分を責めたり、
そのような指導を受けて苦しんだことがあるからです。
『夜と霧』の本で示されているのは、
環境に対して、自分の在り方・ふるまいは選べるということ。つまり、「自由」ということです。
その環境にただ飲み込まれるのではない、
自分で自分の在り方を選択ができる力が人間にはあるのだ、と言っているのです。
例えば、カフェで店員さんにコーヒーをこぼされたとき、
怒りに任せて怒鳴るのか、ため息をついて睨むのか、
ニコニコ笑って許すのか、冷静にクリーニング代を請求するのか、
そのアクションはあなたの自由ですよ、ということ。
だからこそ、周囲の状況や空気感に流されて条件反射的に反応するんじゃなくて、
自ら意志をもって選択しましょうね、ということ。
苦しいことに直面した時に「耐える」だけが答えじゃないです。もちろん「逃げる」もあります。
『夜と闇』の筆者・フランクルさんはどうしても逃げることができなかったから、
その場で「死ぬ瞬間まで人として尊厳をもって生きる」覚悟をしたわけであって、
無条件に同じ場所で耐えるのがいいと言いたいわけでは、決してないです。
こう言うと、よく、
「ここで逃げたところで、また同じ問題にぶつかるよ。その繰り返し。しっかり向き合って乗り越えろ。」
とも言われます。(私はよく言われてきました)
言っていることは理解できます。
確かに、不快な気持ちを感じてすぐにその場から逃げるを選択すると、言われるように同じ問題に直面する可能性はあります。
しかし、その逃げたい対象をきちんと見て、向きあっていれば、同じ失敗を繰り返す可能性はくなると思います。
たとえば、
「会社が嫌だ」と感じるならば、「会社の何が嫌なのか?」を問います。
上司が嫌なら、「上司のどこが、どんな言動が嫌なのか?」をさらに自分に問います。
結果、「モラルハラスメントのない職場ではたらきたい」ということであるならば、
・本人に直接話す
・労働相談所に相談する
・人事部に相談する
・同僚に相談する
・ドライブレコーダーに録音する
・転職する
などから、自分の行動を選ぶということです。
つまり、いわゆる逃げると捉えられる「退職(転職)」は選択肢の一つにすぎないのです。
そして、このように考えると、次の仕事選びの際には「モラルハラスメントのない職場ではたらきたい」という
自分の願望を意識すると思われるので、同じ問題は避けられる可能性は低いと思います。
重要なのは、
その<環境・状況>を受けて自分は何を感じるか??
自分の人生をどうしたい??
自分はどうありたい??
このような問いを自分にして、その本質に向き合ってから、自分で行動を決めることだと思います。
もちろん正解は一つじゃないです。
人によっても、同じ人でも時と場合によって違います。
私自身、これを気付くまでに長い時間をかけました。
一人でも多くの人が、誰かの抑圧に自動的に負けるのではなく、
自分の行動を自分の意志で選択できるようになればと思います。