最後の第4弾です。

今回受験した学校についてはけっこう調べましたし、実際に経験も積んだので、少しでも情報提供出来ればと思います。


具体的な名前は避けますが、色々とダークサイドで有名だった学校でも、比較的、変な力は働かなくなったように思います。

ボリュームゾーンは何とも言えませんが、本当の上位層は合格させているようです。

ただし新宿のTIだけは別格ですのでご注意を。
 
【慶応義塾大学医学部】
・押しも押されぬ私立医学部不動の最難関です。日本中の理Ⅲを目指す天才達、そして何故か理Ⅰを目指す医師志望でない天才達も集まってきます。本当に「しっしっ。あっち行け」と思ってしまいます。

・いずれにせよ慶医は理Ⅲと並ぶ受験界のトロフィーです。理Ⅰ志望までもが慶医を受験する流れを作り出してしまっているのは、鉄緑会の罪と敢えて言っておきましょう。

・一次で他大学が500名取るのに対して慶医は250-260名しかとりません。一次を通過した時点で全国250傑に入ったことを意味するんで誇りに思って欲しいですよね。

・二次は140人程度に絞られて補欠は100人ぐらいです。実際に補欠から合格するのは30人程度です。

・数学は理不尽なほど難易度が高く、今回受験した学校の中でも最強です。しかも慶應は理Ⅲのあとを追うので数学は更なる難化が予想されます。

・またトピックは統計です。去年今年と出題されているので今後も出続けるかもしれません。これは鉄緑会の対策にもなかったので予想外でした。対策が変わってきそうです。

・何とか数学で耐えて、英語と理科で得点するしかないでしょう。

・特に理科は、もちろん最難関なのでレベルは高いんですが、今回の受験した大学の中では取りやすいかもしれません。

・二次の試験会場には鉄緑会の有名人や猛者しかおらず、まさに頂上決戦と感じたそうです。

・東京科学大の数学は努力でどうにかなる部分もありますが、慶應の数学は地頭最強及び天才しか解けない部分があるんです。現役率が高いのもおそらくそういう理由でしょう。

・しつこいですが受験は相対評価です。「秀才型に慶應は不利」と負け惜しみを含めて言わせていただきます。

・大学としては学閥と仲間意識が強い側面もありますが、ブランド力は最強です。行けるなら一度は行ってみたい大学です。
 
【東京慈恵会医科大学】
・不平等が少ない学校だと思います。主観的要素を可能な限り排除し、客観的な評価に徹している印象です。

・この姿勢は本当に尊敬できます。私立医学部には闇が多いんですが、そこを徹底的に排除したいという意思が感じられるので、素晴らしい学校だと思います。

・知識を問うのではなく常に考えさせる問題が多いです。物理化学は易化したように思います。浪人も少し多い印象があります。

【順天堂大学医学部】
・随所に一流の貫禄がありました。メッセージがしっかりしてるのは述べた通りです。数学は処理能力しか見てない、英語の配点が高いのはそういうことです。

・一次は500人程度。二次では170程度に絞られます。

・面接は非常にやさしいです。アピールしまくった方がいいですが「一次試験が大事」と2回言われたようです。

・数学が不得意な人が目指せる場所です。女性も多いです。是非狙いましょう。現役が多いのも特徴です。
 
【帝京大学医学部】
・先の戦いのために、本番の緊張感を経験しておくために受験しました。3日間のうち2日間を受験しています。

・一次通過と通知されるのは2-3日間のうち1日のみとなります。他の受験日は不合格通知になりますがそういう仕様なので不安になる必要はありません。

・一次二次共に試験官の皆さんからは随所に謙虚な姿勢が見られました。面接も非常に優しかったようです。

・ただ浪人の受験生には余裕がない人も多いようです。睨まれてもスルーしましょう。

・問題は難しくありませんが化学だけは独特なので対策出来ない場合は避けた方が無難です。

・数学は息子が2日とも満点だったようなので難しくはないようです。

・特待で合格すると書類提出や入学金振り込み締切などが1週間程度延長されるので、そこは気持ち的に助かりました。
 
【聖マリアンナ医科大学】
・一次で500程度取るのは他校と同じです。しかし数年前から一般選抜(前期)における正規合格者数が75となっています。これは募集人数と一致し、以前の聖マリ及び現在の他校と比較すると100程度減少しています。

・これが意味する事は簡単です。正規合格75人はほぼ入学せず、実際に入学するのはほぼ補欠ということです。繰り上げ合格が70-80なので、それを裏付けているように思います。この方法にした理由は不明です。

・数学は息子がやはり満点でしたので難しくはないようです。

・問題配布などでは丁寧さと謙虚さがやや欠ける方もいらっしゃったようです。面接は圧迫で昭和が抜けきれていない印象でした。

・浪人も女性も合格しやすい傾向にはあるようです。
 
【東京科学大医学部】
・慶應の紹介で書きましたが、秀才型にとっては明らかに慶応学部より合格しやすいと思います。

・単純に人数の問題でもあります。東大理Ⅲを受ける人数は毎年300人程度で、これが一気に抜けるのは大きい。慶応医学部は東大理Ⅲを受ける天才達、そして医科歯科を受ける秀才達が全員受ける訳ですから。

・手堅く東大理Ⅲを避けて科学大に降りてくる戦略家と、博打で理Ⅲを狙う挑戦者の数は同等と見ます。

・ただ正規合格は80人と少なく補欠もない。私立医学部は正規合格を170程度としていて、慶應ですら140程度で補欠は100です。この点が実際に合格を得るまで本当に不安でした。

・問題について、あくまでも慶應と比べればですが、どうにか努力で受かる要素を残している学校と言えます。秀才型は是非目指して欲しいんです。

・過去問対策も慶応よりは有効だと思います。もちろん最難関の1つですから、磐石な基礎力が必要なのは言うまでもありません。

・この学校の英語は国語です。長文は非常に難解なものが多い。英語的に解けても国語的に解けないので、なかなか点数に結びつかないかもしれません。逆に英語と国語が得意な人には相性抜群です。

・数学に関しては、これも独特かつ難問で対策が必要ですが、慶應よりは戦えるレベルです。

・難しいのは化学ですね。時間も足りないし、これまた独特な問題が多い。

・物理は数学的考察力と計算力が必須です。微積物理を経験してすると生きるかもしれません。かと言って東進のサングラス授業は時間をあまりにも要するので万人にはおすすめ出来ません。

・大学としては、国内では数少ない「卓越大学」に指定されていることもあり、研究は非常にレベルが高いです。慶應と比べれば学閥がないのも魅力的です。

【過去問について】
・過去問は徹底的にやらざるを得ません。同じ問題が出るということではなく、演習としてどこの問題に時間をかけるのか、どこの問題に時間をかけないのか、どう取捨選択するか戦略をたてるためです。

・傾向が変わっても動じない柔軟性を保ちつつ、例年通りにきたら効率よく戦える準備が大事なんです。

・基本的な学力を高めることと、それぞれの大学でやり方を調整することは全くの別物です。それくらい学校によって癖はあります。自分の得意分野やスタイルに合っているか、相性を確認しておくことも大事です。

・国立は私立が終わってからある程度時間がありますが、慶応、慈恵、順天堂は共通テスト前にやっといたほうが良いでしょう。


【最後に逆張りさせて下さい】
・実は今回触れてない学校があります。10月下旬に一次試験がある埼玉の学校です。ちょっと我が家にとってはトラウマでして、正直ふれるのを避けました。

・数学で記載ミスをやらかして一次は通過しましたが、現時点で補欠も得られていません。原因は明確であって冷静に結果を受けとめなくてはならないんですが、それでもその結果を乗り越えるのはちょびっと大変でした。

・外から見ていれば我が家の結果は十分成功であり、もしかしたら輝かしく見えるかもしれません。しかし、いくつか前の記事でも書いた通り、苦しんで苦しんで、足掻いて足掻いて足掻いた結果が今なのです。

・先程の失敗があったからこそ「一次でも二次でも全力を尽くす」「面接ではやる気を見せる」という流れが出来上がったことも事実です。間違いなくその後の合格を得るエネルギー源になりました。無駄なことなんて1つもないのです。

・それでも勝ち負けがある戦いは本当に辛い。中には潰れてしまう人間だっているでしょう。我が家はたまたまうまくいったから良いものの、医学部を含めて受験することが最も正しい選択などとは到底言えません。

・綺麗事や建前に聞こえると思います。「成功したから言えるんだ」「上から目線で言うんじゃねー」とおっしゃられたら本当にその通りです。誰だって成功したいものです。

・それでも敢えて言わせていただきたいのです。学歴が全てではありません。世間的に良いと言われる職業に就くことが全てではありません。

・本当に大事なのは、全ての価値観を等しく捉えて、幸せとは何かを考え続けることだと思います。この世が戦いである事は誰もが認めるところです。それでも、だからこそ、みんなとゲラゲラ笑ってる過ごせる環境が唯一絶対的に正しく目指せる場所だと思います。

・最後にいつも通り言わせていただきたいんです。「すべての受験生が幸せでありますように」と。


以上です。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

それでは皆さん、またお会いする日まで。

前泊ホテル、移動手段、具体的な現場でのやり取りにも触れておりますのでご参考ください。

※ご覚悟のある方や天才児の御両親は是非。
それでは第3弾です。
今回は教科毎の捉え方と親がやるべきことを書かせていただきます。

定宿。入り口にて。


それぞれの科目での出題傾向から、その学校が学生に求めていることがわかります。

例えば順天堂の数学は処理能力が全てで英語の配点が高い。

難しい数学の問題を解く能力は求めておらず、激務をこなせて英語が使える人間が欲しいってことですよね。

ちなみに学校の授業はそれぞれ異なりますのでふれませんが、定期テストを含めて大事なので、塾との両立は当然のこととお考え下さいませ。

では参ります。

【数学】
・鉄緑会確認シリーズ(高2→高3)の徹底に他なりません。高2後期数Ⅲ例題の復習も重要です(最低2周)。「基礎を盤石に」です。

・数学はRPGで言えば攻撃力です。野球で言えば打線。故に不安定で水物。相変わらず天才には勝てませんが踏みとどまる力は不可欠です。

・どれだけ鉄緑会で鍛えても解けない問題はありますが、逆に解ける問題を落とさなければ大負けすることはありません。たまにクリティカルヒットもありますしね。

・ただ数学にはあらゆる面での技術が必要です。一度模試で結果が出ても調子に乗ってはいけません。相性のいい投手に当たったに過ぎないからです。

・本番ではあらゆるタイプの投手を打ち崩すための引き出しが必要なんです。危機管理としての検算、問題の取捨選択も必要になります。

・つまり、結局のところ毎日常に磨き続けるしかないってことです。数学が出来なければ勝てないので時間をかけざるを得ないんですよね。

・ちなみにここでの「出来る」の定義は「標準的問題を落とさず、更に難問に挑戦して点を安定して拾える」ことを指します。落とせない問題を落とさないのは基本中の基本であり、これを「出来る」とは表現しません。

【英語】
・やはり鉄緑会確認シリーズ徹底と通学中のシャドーイングと鉄壁と速読英単語に他なりません。「毎日やらずして英語は伸びない」です。

・英語はRPGで言えば防御力、野球で言えば投手力です。故に安定につながります。打てなかった(数学ができなかった)時の支えとなります。

・センスは不要です。日々の積み重ねが全てです。とにかく質より量。中一から毎日やる。隙間時間を利用する。これしかありません。
 
【理科】
・鉄緑会のみでは不十分。「あらゆる伝手を頼るべし」です。

・高3からで間に合うかと言うと間に合いません。しかし英数に時間がとられますし時間が割けないのも事実です。つまり禿げる覚悟でやるしかありません。

・化学は鉄緑会の某有名先生でいいですね。鉄緑会冊子のフォントを作ってるあの先生です。

・ちなみに受験直前に「ようやく全ての無機化学反応式が書けるようになった」とは息子談です。そんなもんです。

・物理の扱いは非常に難しい。うちは東進のサングラスフェラーリ先生でしたが効果が出るのはゆっくりでした……。即ち数Ⅲで解く物理の体得はあまりおすすめしません。問題集を解きまくるしかないですねー。

・そもそも物理より生物選択の方がいい場合もあります。何故なら簡単な問題でも複雑な計算を求められることがあり、どこかでミスが生じるリスクがあるのです。数学的計算力がない場合は真剣に考えましょう。


【親がやること】
・先に申し上げたいのは、妻の意見は正しかったということです。自学自習に専念させるため、全ての雑用は妻と自分が行いました。そしてメンタル面の教育を徹底しました。

・崖っぷち感と情熱と自信。このバランスが非常に難しいんですが、これができなければ合格を手にすることは出来なかったと思います。

・我が家は都内在住ではないので睡眠時間と勉強時間の確保が必須であり課題でした。

・鉄緑会近くのホテルを最大限活用しました。親子3人で定宿に泊まり、フロントのホテルマンには名前と顔を覚えられていたくらいです。

・出願は志願書作成も含めて全て自分が行いました。普段から部活動や趣味や性格を把握し、子供が喋りそうなことを想像し、面接で矛盾や無理が生じないようにするのは親の仕事だと思います。

・試験日程も過密でスケジュール把握を子供にやらせるべきではありません。時間の無駄です。

・一次試験、二次試験、合格後の締め切りチェックやお金の払い込み等を含めて表を作成し、カレンダーに記入して共有しました。スケジュールに合わせて仕事も休ませて頂きました。

・二次対策も当然親の役割です。それぞれの学校の特徴、アドミッションポリシー、カリキュラムをまとめて、学校毎に面接の原稿を作成し、息子と共有した上で練習も行いました。

・小論文は得意でしたので余計な指導は逆効果であったため、面接練習と合わせてY-SAPIXに丸投げしたのが現状です。


今回は以上です。次は学校別総論と過去問です。これで終わりの予定です。
それではまた。


中学受験(2020)総括記事はこちらです。

前泊ホテル、移動手段、具体的な現場でのやり取りにも触れておりますのでご参考ください。

※ご覚悟のある方や天才児の御両親は是非。

第2弾です。

今回は医学部総論です。

けっこう厳しい内容になっちゃいますが何卒御容赦下さい。そして御参考下さいませ。


※東京科学大学、面接会場入り口です。



では参りましょう。


まず言わなくてはならないことは、医学部は予想以上に難しいということです。


東大理Ⅲや東京科学大医学部や千葉医の話をしているのではありません。


鉄緑会の上位層が多く受ける慶應、慈恵、順天堂、日本医大の話をしているのでもありません。


多くの受験生が滑り止め気分で受けるであろう国際福祉、聖マリアンナ、帝京の話をしているのです。


当たり前ですが受験は相対評価であり、合格する人数が決まっています。何点以上取れば合格する絶対評価ではないんです。


そしてご存知の通り、世は鉄緑会一強時代です。代々木校には御三家やそれと同レベルの精鋭1300-1600人が一学年に在籍しています。


中学受験のSAPIXと同様の方法論で、毎日居残り指導を受けています。しかも若い講師と生徒は先輩後輩の関係であり、情熱と仲間意識で指導には更に磨きがかかっています。


鉄緑会一強時代と言えど、そこに属す必要がない天才達も当然世の中には存在します。


そんな彼らの多くが医学部を目指すのです。東大理Ⅰを目指す人間まで慶応医学部を受験したりします。


世の潮流は間違いなく医学部なんです。


その上で、私立医学部の一次試験合格者数は500名程度、二次試験正規合格者数は170名程度です。慶應は140名程度。聖マリアンナに至っては75名に絞ってきました。


どうでしょうか。厳し過ぎる現実が見えてくるのではないでしょうか。


安定して正規合格が取れる基準を、独断と偏見で敢えて申し上げますと、鉄緑会上位層100名或いはそれと同等の実力者、ここに入れるかどうかです。


彼らが正規合格を大部分かっさらってしまうのが現状です。そこに入れなければ「1次通過500名には入れても2次で補欠」が多発します。


確かに鉄緑会最上位層50名は慶應、慈恵、順天堂、日本医大以外の私立医学部を受験しないでしょう。そして全員が全員医学部を目指してる訳ではないでしょう。


しかし彼らが抜けたとしてもその後ろには100-150位につけている鉄緑会生が控えている訳ですから、受験が相対評価である以上、厳し過ぎる状況は変わりません。



続いて鉄緑会に所属した上での素直な実感を申し上げます。


常在戦場。


この言葉がぴったりです。6年間毎日戦って積み重ねなければ勝てません。少なくとも高3での逆転など絶対に有り得ません。


受かりそうな人間が失敗することはありますが、受からなそうな人間は絶対に受からないのです。


そして戦える人間の典型的な特徴は「人の意見を素直に取り入れて走り続けられる奴」です。


鉄緑会最上位層50名や鉄緑会に所属していない天才達に近づくにはこの武器しかありません。


秀才型が結果を残すためには自ら日々勉強できる姿勢が不可欠。自明の理ですよね。


故に断言しますが、本気で部活などやってる暇はありません。そして天才型はそれが可能です。世の中は不公平なものです。



今回は以上です。次回は教科別総論、親のやることについて書かせていただきます。

それではまた。


中学受験(2020)総括記事はこちらです。

前泊ホテル、移動手段、具体的な現場でのやり取りにも触れておりますのでご参考ください。

※ご覚悟のある方や天才児の御両親は是非。