昨日は第150回「親心を育む会」定例会でした。

今回のテーマは「松居和先生と語る会」。

 

ちょっと最近暗い話題の続く保育業界でしたので、

参加者の先生が「最近、うれしかったこと」をお題として

語り、それに松居先生がコメントをする、という

形式で行いました。

 

そんな中、ある先生が

「育休中は、自分が卒園した園の支援センターに

遊びに行ったり、子どもとじっくり過ごしたりしていましたが、

 

育休から復帰した今年度は年長担当。

時短勤務もしているので、担任クラスの保護者の方とも

全員会えるわけでもなく、保育も自分の子育ても中途半端な気がしていて…

 

3月に来年度は5歳担当と知ったときは、本当にどうしようかと…

でもやるしかない!と始めて、5か月半。

何とかやれていることが、うれしいこと…です」

と語ってくれました。

 

その数人後、他園の主任の先生が

「私の嬉しかったことは、

自分の担任した子が、卒園して、大人になって

会いに来てくれることはもちろんなのですが、

 

保育士になってくれていたり、

子どもが生まれたら支援センターに連れて来てくれたりと、

『先生に見せたかった!』って言ってもらい、

今まで30年以上頑張ってきてよかったって、

本当にしみじみ思います。

 

実は…先ほどの先生、私の担任した子で、

話を聞きながら『ああ、私も育休開けは5歳児担当だったなぁ。』と

思い出し、頑張っている彼女の姿が昔の自分と重なってきて…

『大丈夫だよ!できてるよちゃんと!』って言ってあげたくなりました」

と、先ほどの先生の向かい側に座っていた主任の先生は

教え子だった先生の目を見て、励ますようにうなずきながら

語ってくれました。お互いの目にはうっすら涙も。

 

その話を聞いた松居先生のコメントは、

「卒園してから、園に来れる仕組みを作る。

これってものすごく大事なことですよ。

 

20歳になったら、子どもが生まれたら、

卒園した園に来る。

私の知っている園でも、成人式の後、晴れ着を着たまま

卒園児が来てくれるところがあります。

そんな時には昔の担任が園にいることも、もちろんですが、

退職していても園が呼ぶ。

 

そこは、いろんな機会を作って、

保護者や子どもの同窓会や運動会への参加など

卒園した後のつながりを持ち続けている。

 

そうすることで、『一緒に子育てをしてきた』という

土壌を作っているんですよ。

 

それがね、何世代か循環すると

『親心のビオトープ』になって、ずっと巡っていくようになる。

園が次の世代の親心も育んでいくんです。」

と熱く語ってくださいました。

 

園が作る『親心のビオトープ』、皆様の園でも

取り組んでみませんか?