富士宮市にある富士山本宮浅間大社
そのすぐわきにある小さなお宿 山げん
富士宮市の宿泊施設として
古き昭和の時代からこの地に根付き
たくさんのお客さまと地元の皆さまに愛されてきた
小さなお宿の小さな物語
館内にいけてあるお花は、私の自宅の庭から
季節のものを摘んでくる事が多いのですが
どうしても同じお花ばかりになってしまいがち。
なので、定期的にご近所の“はなとう生花店”へのぞきに行きます
そこで、いつもわずかですがお花を選んで頂きます
昨日もお花を買いに行きました
すると・・・
「もうすぐ終わってしまうけど良かったら飾ってあげて」
と美しい大きな薔薇を下さいました
私は薔薇の香りが大好きです
そして、突然のこんな素敵なプレゼントがたまらなく嬉しくて
お宿までの帰り道、ずっと薔薇のお花に顔を埋めていました
お持ち帰りしたかったくらいです笑
今やこの大きな薔薇たちは
お宿のフロントで、まるで女王さまのような気品あふれるたたずまいで
美しく華やかに私たちを見守ってくれています。
この“はなとう生花店”ですが、いつもお花を選んで下さっている間
他愛もないお話をしたり、家族のお話なんかをしたりします。
珍しいお花、気になったお花は、いつもお名前を聞きます。
そんな時間も楽しみで、いつもわくわくしながら扉を開けているのです
スーパーのお花コーナーにはないぬくもり
人と人の心と熱の交わる瞬間は素晴らしい栄養になるのだと思います。
現代社会はご近所や他人との関係性が希薄になってきています。
お隣にどんな人が住んでいるのか知らない・・・
というのも今ではよくあるお話ではないでしょうか。
馴染みのお店でお買い物をしながら
お店の人と会話する、なんて事も、昔に比べて減ってきている気がします。
会話をしなくても物は買えるし
今では自宅にいながらもネットでお買い物が出来てしまうのですから
便利な世の中にはなりましたが、なんだか少し寂しいような気がします。
そんな中で“はなとう生花店”と結ばれた大切なご縁
いつも 「これも良かったら持ってって」
と多めにお花を入れて下さるとっても優しい
心がほっこりとあたたまるお店なのです
昔は
「ちょっとお醤油かして」
「ちょっとお米貸して」
が当たり前にあった時代だったと聞きます。
お隣近所との信頼関係が出来ていて
とてもあたたかな家庭の象徴のようにも思えました。
“子供は地域で育てる”
地域の大人たちが、未来を担う子供たちを見守り叱ってくれる。
そんな時代もあったのです。
ご近所さんだからこその助け合い・声掛け・気遣い・優しさ・・・
そんな古きあたたかな時代がここにもあった!!
と、トキメキにも似た嬉しい気持ちになってしまい
花瓶も新調してしまいました!
お花はお客さまにとても喜ばれます。
「これ、生花ですか?今時珍しいですね!嬉しいなぁ・・・」
というお声も伺った事もあります。
小さなお花が結ぶご縁もあるのです
お宿 山げんは、はなとうさんのおかげで
今日もたくさんの美しいお花であふれています
チューリップを見ながら大好きな春を待ち焦がれたり
ピンクのかわいいスイートピーに心揺れたり
小さなお花に、たっぷりと心を潤してもらっています