親分カラスのつぶやき -11ページ目

親分カラスのつぶやき

いろいろ人生大変だけど、

生きてりゃ何かいい事もあるだろう。

オレはカラス、親分カラス。

だけど人間の気持ちは理解できる。

オレはオレなりに苦しみを乗り越えて今がある。

アンタも大丈夫。明日はきっと晴れるだろうよ。



これは、或る社長の物語。


その社長には、とても大切に思っていたK という人物がいた。



その社長は、K の事を心の底から大切に思っていた。


K の事を生涯守り抜きたいと、思っていたんだな。



でもある日、K は去って行った・・・その社長の元を・・・


社長はひどく悲しんだ。


引き止められなかった自分の不甲斐なさを恨んだ。



社長はオレのところへ来て、K が去った苦しみを涙ながらに訴えたのだ。




― なあ社長さんよ・・・そんなに悲しむもんじゃない。


  そんなに自分を責めなさんな―




ひとしきり涙したあと、少し落ち着いたのか、


小声で礼を言って、その社長は去って行った。



去りゆくその悲しい背中を見送りながら、そっとオレは呟いた。



―なあ社長さんよ・・・アンタの人生は充分美しいぜ。


 人生はまるで七色の虹で織られた織物のようだ。


 楽しい色、うれしい色・・・それだけの糸ではダメなんだ。


 そこに悲しみや孤独、辛さが織り交じって、


 初めて深く美しい織物に仕上がるんだ。


 だからそんなに落ち込むんじゃない。


 アンタにはK との美しい思い出があるじゃないか。


 

 今夜はK が好きだと言って、時々いっしょに食べたって言っていた、


 ドライカレーでも食べたらどうだい。


 楽しかったK との思い出にひと時浸りながら・・・



 明日からはどうせ又、戦いの日々だろうから・・・



 

 なあ、社長さんよ、お互い頑張ろうぜ!


 苦しいかもしれないけど、もうちょっと踏ん張ろうや。


 

 七色の虹の織物がほら、深く美しい光を放ちながら


 織られてきたから―