7月9日3時

旅立ってしまった


おとうさんとおかあさんを

看取ってくれた愛犬


こんなに家を空けてばかりの社畜と

毎日止まることなく突っ走る息子


最期にちゃんと

あなたをお見送りする時間を

こんなこんなこんな私たちに

ちゃんとちゃんとちゃんと


ありがとうとごめんね


ごめんねとありがとう


涙

なみだ

なみだなみだなみだ

なみだ

なみだなみだ

なみだ


やさしかったな

ずっとやさしかった


やさしかった


またね


そういえば最期におかあさんが言った


またね

あのとき言った

またね


嘘つきって思ったけど


またあえたかな


亡くなるすこうしまえに

ちいさかった頃のような声で

何度か鳴いて

立ち上がれないのに

両足を犬掻きみたいに動かして

尻尾を嘘みたいに振って


まるで呼ばれて追いかけてくみたいに

それはそれはうれしそうに


そうして

眼をキラキラさせたまま

口元は笑ったまま


あれ?

お腹が動いてない

あれ?

旅立ったことが

とても信じられないような


3時に

おとうさんとおかあさん

車を走らせた最期の時間に


あなたは逝った


空へ


空っぽだよ

いまほんとにワタシ

空っぽだよ