生成りヌメ革の経年変化について、ご案内いたします。
「生成りヌメ革」とは、牛革をタンニンでなめした革に染色や加工をを施さず、
「素上げ」で仕上げた革のことを差します。
最大の特徴は、なめした時に使用した「タンニン」の作用で、
紫外線を浴びたり、脂分を含んだりすることですることで、
少しずつ「アメ色」に変化することです。
こういった革の「経年変化」が、生成りヌメ革が愛される理由です。
こちらの写真は、生成りヌメ革で制作したロングウォレットの
「経年変化」の例です。
毎日触ることで、艶が増し光沢が出てきます。
太陽や蛍光灯の光でも、紫外線により少しずつ「アメ色」に変化します。
こちらは、ペンケースの「経年変化」の例です。
肌色の生成りヌメ革が、かなり濃い褐色に変化しています。
最初は傷やシミなどが気になることもありますが、
経年変化が進むことで、気にならなくなり、味わいが深くなります。
こちらは、お客様に使っていただいた作品の経年変化の例です。
お使いいただく環境で、変化のスピードや色合いも違いますので、
「自分だけの愛用品」として、革を育てる喜びを味わっていただけると思います。
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<お手入れについて>
制作時に、ヌメ革専用クリームを含ませていますので、
毎日触って使って頂けるものについては、特に特別なお手入れは必要ありません。
自然な光沢が出てきます。
長く使用しない場合や、冬場などに革が乾燥してオイル補給が必要な場合、
ヌメ革専用のクリーム(コロンブス社「ブリオ」「レザークリスタル」等)を
お勧めいたします。
水濡れした場合には「シミ」になりやすいので、
すぐに綺麗な柔らかい布で、全体を水拭きし、完全に乾燥した後、
ヌメ革専用クリームを軽く全体に塗り込んでください。
(生乾きのままでクリームを使用すると、「シミ」の原因となります)
万一、シミになってしまっても「経年変化」が進み、「アメ色」に変化することで、
目立たなくなりますので、慌てずにじっくりと革を育ててください。
その他、糸切れや金具の摩耗などでメンテナンスが必要な場合には、
お気軽にご相談くださいませ。