◆近況(Palmaより)
先日、ホテルのご利用を前提としてPalmaデイケアをご利用されたお客様&わんちゃんがご来店されました。
Palmaでは、ナイーブやわんちゃんやナーバスなわんちゃんには、以下の流れでのご利用をお薦めしております。
STEP1 ご見学 : 飼い主様と一緒に短時間の滞在
↓
STEP2 デイケア : わんちゃんだけでの滞在(必要に応じて1回~数回)
↓
STEP3 ホテル : ホテルのご利用
場所・人に慣れることで、よりストレスの無いホテルでの滞在が可能になります。ドッグトレーナーである私が、わんちゃん達に可能な限りPalmaに良いイメージを持ってもらえるようにその子の個性に合った対応をいたします。
特にナイーブorナーバスな子については、他のわんちゃんのご利用の無い時間帯~のデイケアご利用をお薦めしております。
3時間~のご利用となっております。お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせは、下記のホームページの「お問い合わせフォーム」よりお願いいたします。
☆Palmaホームページ
http://palma-niigata.jimdo.com/
また、Facebook(公開:誰でも見れます)の方でも、ご滞在のわんちゃんの様子などもUPしております。ぜひご覧ください。
☆Palma Facebook
https://www.facebook.com/pages/Palma/753735091309033
◆本文
さて、いきなりではありますが、
目の前に「相互に言葉の全く通じない」&「全く文化の異なる所からやってきた」外国人がいて、何故かこの日本でこれから一緒に暮らさなくてはならない。
という状況下にあったとする。
その外国人には日本語・中国語・英語・フランス語・スペイン語等々、あなたが少しでも知っている言語は一切通じない。
また、全く文化が異なるため日本で暮らしてゆくためルールも全く理解していない。
ここで、なんとかコミュニケーションをとらなくてはならない。
なりふりかまってはいられないので、この状況下では身振り手振りで少しずつ「単語」から覚えてゆくしかない。
例えば、椅子を指差して「いす すわって」といったり、反対に謎の外国人は「テッワス スイ」等と言うのかもしれないが、互いに単語を教え・学び合うということになる。そうして、徐々に互いの言葉を教え・学ぶにつれ、より細やかな事や難解なことも伝達可能になってくるのですが、
ここで、その教え学び合った単語が通じるかどうかは、その後の相手の反応を見て判断することとなる。
例えば「すわって」と言って相手が座る、または「テッワス」と言われて自分が座るのであれば、その場合は双方にとってその言葉が「通じている」と考えることが出来る。
この状況下のコミュニケーションについては他にも色々と書きたいことがあるのですが、それはまたの機会にして、
ここで、この「謎の外国人」と「犬」を置き換えてみよう。
「謎の外国人」を「犬」に置き換えた時に、一つ大きな違いがあるのです。
殆どの場合、
犬に我々の言語を教えるが、我々は犬の言語を学ばない
のです。
そうすると、どうなるかというと、
人語を話せない犬は自分の感情や意志を人間に伝えることが出来ない
のである(謎の外国人の場合は日本語を覚えれば、伝えることが出来る)。
我々は、トレーニングによって「指示語」とそれに対する「犬の行動」でそれが伝わっているということを確認できます。
犬は、犬語が人間に伝わっているかどうかを確認する術を持たない。
これでは、コミュニケーションは常に一方的ならざるを得ないのです。
コミュニケーションの双方向化は、我々人間が犬語を学ぶことで成立する。
犬はボディランゲージという言語を使用します。
我々が犬のボディランゲージを理解して、それに対してなんらかの反応を返すと、犬はそれが「伝わっている」ということを理解します。
例えば、犬が立ち止まって「あっちの方にいってみたいのですが?」と言っているとする。
ここでボディランゲージで
■肯定の場合
・じゃあ行ってみるか、行こう!!
■否定の場合
・そっちには行かない、こっちに行くからついて来て
・断固としてそっちには行かないのである、付いてきなさい
■どちらでもない解決法
・こっちの方も面白そうだよ、行こうっ!!
なとど、返事を返すと、犬は自分の言葉が通じているということが確認できる。
また、人間も犬の行動によって返答が通じたことを確認できるのです。
人間は上記のようなニュアンスをボディランゲージで伝えることが出来ます。
実は、そんなに難しい事ではありません。
同様の状況下で犬がやるように動けば良いだけです。
自分の意思を伝えただけなのに、リードをグイッと引かれたらどうだろうか??
犬は伝えるのを止めるようになってきます。
では、指示語ではどうか?。
モチベーショントレーニングで「オイデ」や「ツイテ」に肯定的な印象を持っている犬には、「オイデ」「ツイテ」と言うだけで良い。
モチベーショントレーニングにおける、オペラント条件付け「正の強化」は長期的に見れば、トレーニング全体を通して「古典的条件付け」と作用します。
すなわち、「指示語」で指示されること全体について「良い印象」となっているのです。ここがモチベーショントレーニングのミソです。
ニュアンスとしては最後の「どちらでもない解決法」に近いものとなります。
その時、進んで従っているのか、渋々従っているのかは犬のボディランゲージを見れば分かります。渋々従っているような時は笑顔&明るい声で励ましてあげると、直ぐに気を取り直すことが多いように私には思えます。
ちなみに、上記ボディランゲージと指示語を併用しても構わないのですが、「否定」の「断固としてそっちには行かないのである、付いてきなさい」と「ツイテ」などの指示語を決して併用してはいけない。「ツイテ」に悪い印象を持たせないためです。同様に怒りながら・イライラしながら指示語を出してもいけない。これは「指示語 = 飼い主が怒っている = ろくなことがない」という悪い関連付けとなるためです。
オイデやツイテはいつでも
「オイデ~!!(‐^▽^‐)」
「ツイテ~!! (*^▽^*)」
であり、
「オ゛イ゛デ・・・゛(`ヘ´#)」
「ヅ イ゛デ・・・(#`ε´#)」
などとやってはいけないのです。
最後に、謎の外国人に戻りますが、彼(または彼女)はこの日本で暮らさなくてはならないことになっています。謎の外国語は、共に教え・学び合ったあなたには通じるが、他では全く通じない。ここでの最良の選択は日本語を学ぶことです。
「日本語を学べば、行動の自由が得られる」
これが謎の外国人には、最高のモチベーションとなるに違い無い。