11/5公開予定の映画『リスペクト』の試写会に行った。

 

アレサを演じたのは「ドリーム・ガールズ」で助演女優賞を受賞したジェニファー・ハドソン。

生前アレサが自らジェニファーを指名しただけのことはある、まさにアレサが乗り移ったかのようなジェニファーの魂の歌声は圧巻だった。

 

 

「ソウルの女王」の名をほしいままにするまでのアレサの幼少期の才能~父親の抑圧~愛する母親との死別~10代での妊娠~マネージャーになった夫からの抑圧と暴力~アルコール依存症…などなど、アレサがQueen Of Soulと呼ばれて大成功するまでの道のりは決して安易なものではなかった。

 

それでも「本当に自分が歌いたい歌を歌う」「音楽が救ってくれる」を生き抜く糧に、彼女は生命の奥に眠る本当の才能と強さをどんどん開花していく。

 

特に洋楽ファンなら、売れないコロンビア時代から、アトランティック・レコードの経営者のジェリー・ウェクスラーと出会い移籍、彼の勧めでアラバマのマッスルショールズのミュージシャンたちとフェイム・スタジオでのレコーディングが始まるあたりからが、心が躍りワクワクしてくる。

 

そして初ヒット「I Never Loved A Man」が生まれるわけだが、アレサとマッスルショールズ・ボーイズのグルーヴが少しづつ調和していく様には、ぐいぐい引き込まれてしまう。

 

続けてオリジナルのオーティス・レディングを超える楽曲に大変身して、まさにアレサの歌になった「Respect」誕生。

 

この辺までの流れは、あー、こうやってアトランティック移籍後に次々とヒットが生まれていったのかぁ…と実に感慨深い。

 

その後の栄光とアルコールに依存してしまう苦悩の様子には、次元は違うかもしれないけれどビリー・ホリデーやホイットニー・ヒューストンの生涯が頭をよぎってしまった。

 

でも、アレサは立ち直るのです!

「音楽が救ってくれる」「神が過去の過ちは許してくれる」

 

映画の最後は、あぁ、これであのロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で行われたライヴ収録『アメイジング・グレイス』の収録に繋がるのねぇ~と、ここでまだ深く納得しながら感動。

 

映画のエンドロールではアレサの様々な功績や、2015年ケネディ・センター名誉賞を受賞したキャロル・キングに、アレサが捧げて歌ったあの「You Make Me Feel Like A Natural Woman」の映像と、幼少期からの様々な家族写真が流れ、彼女の生涯を称えた。

 

洋楽ファンは『リスペクト』、絶対に見て!必見です!