コーオウンド会社の事例の2社目、米国のフロリダを中心とする、Publix Super Markets。
「パブリックスの奇跡/太田美和子著」によれば、
![]() | パブリックスの「奇跡」 2,000円 Amazon |
パブリックスの凄さは
(1)帰属意識や連帯感を生み出す仕組み、
(2)能力を尊重し権限委譲する仕組みから生み出されるものであり、
(1)帰属意識や連帯感を生み出す仕組みは、
①家族的雰囲気作り
②オープンドアポリシー
③低い役職意識、
そして、
(2)能力を尊重し権限委譲する仕組みは
①緩やかな組織作り
②優しい無関心の方針
③並外れた寛容さからなると、
分析しています。
パブリックスの特徴的なことを挙げると、まず、第一は、組織図もなく、フラット組織であることです。多くの部門を設け、管理職を増やすという頭でっかちな組織ではなく、役割分担を明確にしないで、緩やかな組織を保ち、組織形態がスリムというのが、パブリックスの特徴です。役割分担が明確でない分、権限委譲が進んでおり、個々の従業員が自己管理を求められる厳しい組織であるということです。
第2は、賞与・福利厚生などの金銭的メリットである報酬制度です。
創業後、1940年、1945年に2号店を出店してから、創業者のジェンキンスは、給与とは別に、従業員への成果配分を実施しました。パブリックスの給与水準は、同業他社と比較してそれほど差はありませんが、1店舗あたりの売上が業界平均よりも高く、賞与ではこれが差となって現れます。パブリックスでは、2種類の賞与があります。一つは、クリスマスボーナスで、最大で、基本給の4週間分が全従業員に支給されます。もう一つは、リテールボーナスと呼ばれ、四半期に一度、各店・各部門の利益と損益に基づき、年間1000時間働く従業員全員に支給されます。
3つ目の特徴としては、社員持株制度があることです。パブリックスでは、①ESOP、②直接購入、③401K という方法が採用されています。この中でも、最も、特徴的な①ESOP、直接購入について説明します。
①ESOPは、パブリックスの最大の特徴となる従業員持株制度の前進も2号店オープン前に誕生しています。具体的には、①ESOP 年間就労時間1000時間以上もしくは、在職1年以上の条件を満たした従業員全員で、企業の利益9から12%相当の株式の形で分配されます。利益充当率は、毎年異なりますが、各人が取得した株式は退職時に支給されます。ただし、勤続5年以上の者のみが、その権利を行使できます。「パブリックスの奇跡/太田美和子著」より
② 直接購入
フルタイマー、パートタイマーを問わず、1年間継続勤務し、雇用状態にある従業員であれば、だれでも、年間労働時間の多少にかかわらず、購入する権利が得られます。この権利を行使して、株を購入します。ただし、購入できる株数は勤続年数によって決められています。いわゆる、ストックオプションに近い制度です。従業員は、会社を退職以後も株を保有することも、会社に売却する事もできます。保有者は、その株を家族に遺産相続することもできます。「パブリックスの奇跡/太田美和子著」より
このように、株主であるとともに、個人の努力や成功と会社の成功が直結する成果分配制度があることが、従業員のモチベーションに強い影響を与えていると言えます。
(株)オーナーズブレイン 小泉大輔
