第3弾では店が違法控除で賃金から不当利得を得ていたことについて伝える。
応答②はこれ
4.違法控除
労働基準法は、賃金の全額払いを使用者に義務付けており、店が公租公課以外で賃金からの控除を行う場合には従業員の過半数代表との協定を締結しなければならない。ところが店は従業員から「所得税」名目で10%、「厚生費」名目で10%の控除をしていた。問題はこれが正当な控除と言えるかであった。
■「厚生費」について
組合が厚生費控除の内容と法的根拠の説明を求めたところ、厚生費の控除内容は、「施設利用」、「ヘアメイクさんに払う報酬」、「ヘアスプレー」、「店で使用するグラス」、「貸出衣装の費用」、「クリーニング代」などを挙げ、店舗維持に必要なものだと回答した。
だが店舗維持に必要な経費などは店の経営者が負担するものであり、従業員が負担するものではない。また店には従業員代表が存在せず、従業員代表という概念すら出口氏は知らなかった。
すでに述べたように、店は労働者の賃金の全額を支払わなければならない。したがってこれは本来従業員に支払うべき部分を店が不当利得として得ていたことを意味する。組合はこの違法控除分を返金することを求めた。
■「所得税」について
店は「所得税」名目で賃金の10%を控除していたが、これは違法である。
国税庁は「ホステス等に支払う報酬・料金」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2807.htm)において、所得税の源泉徴収方法を明示している。
それによれば源泉徴収すべき所得税の額は、報酬料金の額から5,000円×計算期間の日数を控除した残額に税率を乗じたものである。
たとえば4月の総支給額が20万円なら税額は5,105円である。(5,000円×30日=15万円を控除。残額の5万円に税率10.21%をかける)
ところが店はこの控除をせず一律に10%を乗じ、20,000円を「所得税」という名目で控除していたことになる。
したがってこの控除名目を所得税としての控除とは認めることができず、「所得税」と言いながら、店が不当利得を得たものと理解するしかない。
これらの違法控除について組合は全額の返金を求めた。しかし出口氏は「社労士に聞いてみる」「社労士に相談する」などと現在のところ返金に応じていない。
第1回団体交渉はこうして、約2時間20分におよんだ。しかし未払いを含め出口氏からの謝罪はなく、経営上の全責任は麥田会長に押し付けるのみであった。
組合は未払いその他で労働者の権利を侵害する出口氏及び麥田氏の責任を今後も追及していく。
