あの人の心は
あの果てにあるのでしょうか
想いも
声も
あの太陽が昇る地平線の向こうに
あるのでしょうか・・・
おもむろに
眺めた港に
語りかける
小さな漁船が
朝凪の面を切り進み
流れゆく霞に消える
聞こえるのは
遠のいていくエンジンの音
もしも
私に迎えが来るのなら
あなたはもちろんだけれども
汽車や電車ではなく
あの船のような
ゆっくりと進めるもので
行きたいですね
視界が真っ白になる
その瞬間まで
焼き付いた光景も
刻まれた傷跡も
あなたのものではないけれど
あなたを奪ったことに変わりはない
知らん顔で
穏やかな面持ちを
私に見せるお前を
きっと死ぬまで許すことはないだろう
海が大好きだったあの人が重なるから
泣いてやるものかと
食いしばっているのだけれども
やっぱり駄目ね・・・
だって
おまえよりあの人が
遠く遠くで笑っているもの
きらきらと
きらきらと
笑っているもの
だから
憎らしいおまえのこえも
漠然とした姿も
許してあげる
だから
だから・・・
あの人に
逢わせて頂戴
あの人の下に
ゆったりと届けて頂戴
眠りについた
その時に・・・
by梟霊