僕は
誰もいない駅に立つ
真っ暗な
真っ暗なその場所は
唯一残された
最後の場所
僕の中に残された
最後の場所
転んだコップに
散らばった
枯れた花
いつかだれかが迎えに…
そう
それから
あれからと
目の前に在った
何かもわからない植物の芽が
いつしか線路のど真ん中
鉄のレールを広げるまで
胴を太く高く育っていた
僕は
誰もいない駅に立つ
大きくも成れず
出ることもままならず
妹と称した
ばあちゃんが
最後の背中を見つめてから
独り
ずっと
独り
火の海が
包み込んだ
あの日でも
ずっと
独り
その列車を
待っている
待っている
一太郎と刻まれた小さな石を眺め
眺めて…
by梟霊