今し方
また一人
旅立ちまして
誰にも見えなくなりました
えぇ・・・
泣いています
形振り構わず
泣いていますとも
でも
擦違う人々には
見えず聞こえず
寄り付かず
彷徨うことが
決まってしまったようでした
私は
あの夜の先に居て
真っ白な平原で待っています
あの子が
自分で選んだ結果を
理解して
自分の足でこちらまで
渡ってくることを
願いながら
独り
雲一つない
真っ青で
山一つない
真っ白な砂浜が広がる
狭間の世界で
ずっと
ずっと
訪れた人を
その先へ指さして
あっちだよと
伝えてながら
眺めています
また一人
旅立ちました
その形に生まれ
その形の理由をしって
その形の役割に絶望したようでした
必死に生きることが
珍しくなった世の中は
生きる者で溢れることで当たり前
零れ落ちることが当たり前
不思議なモノです
全てを救おうと足掻き
誰も救えず沈んでいく
助けを求めて駆けまわり
誰にも近づけず疲弊し朽ちていく
助けよう、助けようと手を伸ばしても
誰も握ろうとせず
悔やみながら倒れていくもの
必死という躍動が亡くなった世界では
幸せな理由で
命の絶ってくる
幸せだからこちらに気が付かず
出口を一から探す羽目に合う
賢くて愚かな生き物は
いったいどれだけ
自分で終わることを選べば気が付くのだろうか・・・
私は待っています
離れず
近付ぎず
でも
あなたの傍らに
常に立って
常に座って
あなたが
気付いてくれるまで
ずっと
ずっと
待っています
拝啓
世流を歩く皆様へ
旅立たれる覚悟は
相当なものとお見受けします
けれども
残すものが多すぎると
浮かぶものも浮かばれず
いつまでも取り残されてしまうのです
ですから
旅立たれる覚悟と同じく
何も持たずに未練なく
お進みくださるよう
お願いします
楽になるのは
束の間
だけですから
by梟霊