どうして
どうして、空を見上げてしまうのか
理解できなかった
さみしい気持でも
嬉しい気持でもない
複雑のようで
簡単で単純なようで
メノウ石のような
魂は
うっすらと
その静寂の青を映した
いつものように
空を
見上げている
ただ
どうしても
邪魔な影が揺らめいて
僕の視界を遮ろうとしてくる
あぁ…旅立ったのかい…?
雨模様でも
雪でもない
静かに流れるその、一時には
あまりにも場違いな黒い雲
それは、あまりにも甘美な声で
こちらにくるかいと
問いかけた
いつものように
空を見上げている
ただ
首には
誰にも見えないロープが
何重にも巻き付き
高い、高い虚空へ伸びている
それは
ねぇ?いつくるの?早くしようよ?とでも
囁いているように見えた
なんとなく
惹かれている僕が
居た
どうして
どうして、地平線を眺めてしまうのか
理解できなかった
悲しい気持でも
楽しい気持でもない
いっぱいに詰め込まれているようで
そうでもない空の袋のようで
オパール石のような
心は
うっすらと
その賑やかな碧を写した
いつものように
地平線を
眺めている
ただ
どうしても
あの街並みの中に閉じ込めた
思い出がちらついて
僕の瞳は現実とあの頃を
何度も往来する
あぁ…生きている…
泥臭い春でも
水臭い秋でもない
静かに過ぎていく、その一時には
あまりにも場違いな光の渦
それは、あまりにも甘美な声で
こちらにくるかいと
問いかけた
いつものように
地平線を
眺めている
ただ
胸には
誰にも見えないロープが
何重にも巻き付き
今来た道に寝そべっている
それは
ねぇ?いつ帰るの?早くしようよ?とでも
囁いているように見えた
なんとなく
引かれている僕が
居た
鏡を見つめる僕がいて
見返してくる僕がいる
首と胸の命綱
どちらを選ぶか
どちらを切るか
この二つは
時々、この身体を乗っ取って
喧嘩する
正直、どうでもよく
正直、興味はない
ただ、言えること
この綱は
誰でも持っていて
誰もが自由に選ぶ
命の綱ということだ
ねぇ…君の命綱は、どっちのこと?
梟霊