誰が引いたかは
わたしは知らない
いつも
赤信号のまま
変わることのない
その場所に
これまた
どうやってきたのか
わたしは判らない
私だけ
ぽつんと突っ立って
動けない
時々、わたろうとするのだけれど
何かに阻まれて
また、戻ってしまう
その先にいくまえに
戻されてしまう、が正しいか
一歩の先で何があったかは
解らないが…
決まってそう言うときは
踏み出す勇気が亡くなっていて
小刻みに躰も吐息も震えている
いったい
何なのか
この白線は何なのか
あの信号の意味は
何なのか
わたしは、識らない
そもそも、この場所も
ここに来てしまうことも
わたしは、しらない
ただ、これは飽くまで感覚的なものだが…
この白線のその先
横断歩道の 向こう側で
わたしと同じように
誰かが
わたしの頭上にある信号を眺め
立ち往生しているように
思えた
この瞳に映らない
何かが、ずっと待っているように
感じた
誰が引いたかは
わたしは知らない
その白線の意味を
わたしは識らない
気がつけばそこにいて
真夏のような明るさの中で
わたしは
いや…
わたしたちは
なにもしらされないままに
みえないだれかを
待っているのだろうか…
梟霊