ここにいた | 梟霊のブログ

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適当に詩をUPします。
評価に、興味なし
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山菜大好き
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とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

 

 

声がした

誰ともとれない

風で吹き飛ぶくらい

弱弱しい

声がした

泣き声であったり

笑い声であったり

怒声であったり

奇声であったり

 

声がした

誰ともわからない

秋の虫の音に隠れるくらい

小さく囁く

声がした

語り掛けるように

気付いてほしそうに

恨めしそうに

きまぐれに

 

声がした

誰ともしれない

私しかいない

荒れ放題の土地で

草木の音に打ち消されるくらい

細々とした

声がした

だが

私には届かない

気のせいかと流されてしまうだけ

けれども

おもむろに振り向いた場所には

きっと

何かが居たのだ

心残りが在った何かが

ここにいた

それを

伝えたくて

声にしてみたのだろう

ただ

それが届くとは思ってないのだろう

理解しているから

だから

中途半端なまま

途切れてしまう

虚しいくらいに

諦めてしまう

私も…

ここにいた一人だというのに

 

声がした

それは間違いなく

私に触れることのできる声

私を連れ戻す声

だから私は

その声の元に掛けていった

途中

振り向いて

手を振ったこと以外

対して

変わったことはしていない

ただ

その相手が誰にも見えていないだけ

彼女は

誰にも見えていなかっただけ

 

 

 

声がした

遠い記憶を見ていた私に

自由の利かない私に

おはようと

投げかける声がした

昔々に見た

彼女が

温かな手を私の額に触れて

おじいちゃんという

あぁ、ここにいたかと

深い眠りに就く前に

安堵した

 

 

 

 

 

 

by梟霊