滅びの中で
夢を見た
苦痛の中で
夢を見た
次々と灰になり
風に何処かへ運ばれる
その夢たちを
眺める事しかできなかった
あれから
数千年
生きながらえるこの意思を
人々は皆
悪という
忌むべきだという
何を言うかと思えば
くだらない
自分をさも正義だと言っているかのようではないか
くだらない
くだらなすぎる
好き勝手に生き
好き勝手に争い
好き勝手に滅んでおきながら
都合が悪くなれば
誰かのせい
何かの性か
そして
的が無ければ
私のせいか
はぁ、鬱になる
望み通りけしてやろうかと
なんど考えたことか
だがまぁ、そこまでしなくても
滅びるもんだな
人間ってやつは
あぁ、厭だ厭だ
これだから
人間病は
そこに気が付かないから
自滅するだけだろうが
俺のせいにするな
もう一度言う
その焔は
お前達のモノだ
私のものでは
断じて
ない
そういや
いつかいたな
面白いやつ
たしか・・・・
悪というものは
生老病死の中で
生の部分にのみ存在できる単語だと
老いに悪はない
病に悪はない
死に悪はない
唯一、生にのみ悪は存在する
つまり
悪を無くしたければ
生まれることを
止めればいい
生きることを
辞めればいい
生きたいと願う内は
悪から逃れられない
だから
君たちが行う
争いは
きっと本当の意味で
救いになるだろう
だったか・・・・
あれは
痛快な答えだ
まさか
私の存在が肯定されるとは
想いもしなかった
あれ程までに
心底笑うことはなかった
ただの人が
人ならざるものを理解する
解読し納得する
そして
受け入れ
灰になる
たかだか十数年の生き物に
仲間に引き入れたいと
これほど思ったことはない
が・・・
それは叶わなかった
満足そうに言ったよ
灰となり
塵となるには
誰かが
火にくべるしかない
何者かの形跡を
残すには
誰かに何かを託さなければならない
私もまた生きた者
そして
お前もまた
生きていた者だ
ありがとう
お前の焔は
悪よりも温かさに
溢れていたよ
ってな・・・
おいおいおいおい
こんなこと言われちゃ
大人しく去るしかないだろうが
それから
幾度となく
人の滅びをながめたが
あいつほどのものは
現れなかった
勇者だの
英雄だのは
わんさか現れたがな・・・
by梟霊