もしも僕が
一冊の本であったなら
僕と言う人間の
人生(ストーリー)を考えてくれた
別の誰かが居たはずだ
その人は
どうして僕を描いたのだろう
その人は
どうやって僕を創ったのだろう
きっとその人には
その世界の文字しか見えていないはずなのに
その人の中の僕は
その物語の世界を鮮明に見渡している
美しさも
汚さも
愚かさも
賢さも
でも、どうしてだろう
本の中の僕は
その描いてくれた人を憎むように創られている
本の中の僕は
その書き綴る人を怒る様に振る舞っている
僕は
そう…仕向けられている
だから僕は
ここではないどこか遠くのその人へ
心の中から手紙を書いた
どうして
泣いているの
どうして
怒っているの
どうして
怨んで
どうして
憎んでいの
それを
僕に注ぎ込んで
僕は
なにを恨み
なにへこの怒りをぶつければいいの?
ねぇ
辛いのなら
消していいんだよ
ねぇ
悲しいのなら
切り裂いていいんだよ
僕は君
でも
君は僕じゃない
君の携える書物が
黒く、黒く
黒く黒く黒く染まってしまったのなら
大きな焔の中で
燃やしてしまっても
良いんだよ
そして
黒く染めた僕を消して
黒く染まった僕を忘れて
また
まっしろな僕に
君の本当の心を描いて欲しい
真っ白な僕に
君の本当の笑顔を向けてほしい
だから
僕の物語に
拘らないで…
届いているのか
はたまた
届いていないのか
わからない
きっとそれも
物語りの一節かもしれない
でも
死にたがる心は
ずっと上を向いたまま泣いていることが
僕を認識している僕が
理解していなかった
本当であれば
俯いて
泣き続けるはずなのに
ずっと
ずっと
上を向いて泣いていることに
何の意味があるのだろう
何の、意味があるのだろう…
そして
未だに僕が
こうして居ることに
何の意味があるのだろう
早く
その本を
くべてしまえば
楽だろうに…
by梟霊