者語り | 梟霊のブログ

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とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

 

 

誰かが誰かを語るとき

誰かが誰かを語り掛ける時

その誰かは

きっと、今よりもずっと遠くの

ずっと昔の人だろう

語られるたびに塗り重ねられた色彩は

時として美しく

時として醜く

光の中に晒される

けれども

私が私を語るとき

私は、私をどう着飾ればいいのだろうか

私の言葉も

私の生きて来た時間も

裸同然で

なにもない

着ているはずなのに

持っているはずなのに

誰一人

私を語ることはない

なぜなら

私は、数千枚の葉の一枚にすぎないからだ

何も残せてはいないからだ

この空気と呼ばれるものと等しく

誰の記憶にも

誰の心にも

深く刻まれることのない

人。人物なのだ。

あぁ・・・

羨ましい

あぁ・・・

羨ましい

あの光の中に佇むあの人も

あの水面に映り込むあの人も

刻む歴史

刻まれた名前

刻み込まれた物語が

其処に在り

誰しもが称える面もちがある

知っていたさ

私には

何もない訳じゃない

ただ、目立たない砂の一粒に過ぎないことぐらい

だから運がよければ

家族の誰かが

死後

私を語ってくれるだろう

知人の誰かが

語ってくれているだろう

たった一世代だけの

短い物語であろうと

その者語りは

確かにそこに在ったのだ

ノートの1ページに過ぎなくとも

そこに佇んでいたのだ

そう思えば

別に特別になる必要などない

何処かの小石程度でも

私は

私を語る必要などないのだ

私を知り

私を見てくれていた誰かが

きっと

私自身の知らない何かを

何もないこの姿に

色と形と物語りを

添えて

旅立たせてくれるはずなのだから

 

ただ

もし

だれもそれをしてくれなかったなら

まぁ

それもそれで良しとしよう

邪魔をせず

邪魔されることもなく

邪魔にされることもない

透明な

何かになったと思い

有り余る時間を

空と共に過ごそう

そうだ

そうしよう

人の世が

終わるその時まで

呆けに呆けて

馬鹿になろう

ありのままに笑える

馬鹿になろう

どんなに大声で笑おうが

聞こえない

透明な

馬鹿になってやろう

きっと

それが良いのだ

きっと

それが、善いの・・・

 

 

 

 

 

by梟霊