腹を空かせて歩いた
一本道の
その裾に
垂れ下がるあけびをむしり
啜ったあのころ
しゃわしゃわとした秋の風に
腹音は鳴りやまず
ただただ、宙の雲を
白米のように見ていた
見知らぬきのこを
かごに入れ
ばあばにわけてもらった
あれもだめ
これもだめ
それもだめ
めいっぱいにとってきても
からになることも
あるけれど
両の手一杯残ることもある
それを
みそ汁に居れて
啜ったあの頃
虫の音と
優しい子守歌が響く夜は
何より幸せな一時だった
空のカンからに
石を入れて
おままごとをする
見知らぬ誰か
どこからか漂う
旨そうな匂いに
放り投げ
夕時の道の影に走り去る
家が在れば
雨風凌げるが
私の行く道は
草木の生えた道なき道
誰かが歩いて行った
野の道
腹など満ちることはなく
空腹にこけた頬と
肩がかつかつと当たる始末
あぁ・・・
ひもじい
それだけ言える体力が
まだあるだけましな方
見渡せば
眠る音すらない寝顔が
そこらかしこに落ちていた・・・
by梟霊