淵 | 梟霊のブログ

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適当に詩をUPします。
評価に、興味なし
フクロウ大好き
きのこ大好き
山菜大好き
ハーブ大好き
とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください






流れ着いた丘には
漆黒の葉を付けた肉色の花が咲き誇る
血の輝きを帯びたおしべは
天空高くに聳える月のようなもの光に当てられて
ぬるりと
長々と
伸びている
生ぬるい風が
私の背中から吹き降し
それが、誘っているかのように
ゆらゆらと揺れた

流れ着いた丘には
漆黒の葉を纏う肉色の花が広がっている
空と呼ばれるものは
黒一色にもかかわらず
微動だにしない月のようなものと
どこまであるのが見当もつかない
見渡す限りの生々しい一色が
はっきりと其処に在った
踏みつける度に
にじみ出る汁は
紅色で
通り過ぎた後は
止めどなく滴る液体が
溜まり
溢れ
流れ出し
地獄のあれを思い浮かべる
一線となった

流れ着いた丘には
漆黒の葉を重ねた肉色の花が広がっている
その一角に
どこまでも聳える黒曜石の塊があり
近付いて触れて気が付いた
カタカナでも
英語でも
それ以外でも
名と呼ばれるものが
おそらく万
いや
億であろうか
刻まれている
そして
足元の一列が
ゆっくりと端の方へ動いているように思えた
ゆっくり・・・
いや、よく見れば
そう見えるだけで
名前が、ものすごい勢いで前後左右に蠢いている
まるでこの一枚の岩が数万数千を超える虫が
寄り集まっているかのように蠢いている
そして
その文字が一番端へたどり着くと
まるで
シャボン玉が割れてしまうように
消えて往った

流れ着いた丘には
漆黒の葉を身に着けた肉色の花が咲き誇る
はっきりと見える
妖しく艶めかしく広がる草原に
立つは
私、唯一人
此処はどこで
此処がいつで
どうやってここにやってきたのか
判らない
唯一つ私がこの光景を言えるとするならば
深淵
世界のどこか深くに在る
心理と呼ばれる世界の一つではないかという事だけ
そして
おそらく
あの月のようなものは
きっと・・・
いや、そうだろう
美しい光を降り注いではいるが
入口に違いない・・・
要するに
立ち入ってはならない場所に
私は存在し
立ち
眺めていることになる
あぁ・・・
だとすれば
この花たちは一体・・・
あぁ・・・
だとすれば
この岩の名は
もしや・・・

辿り着いた丘には
肉色の花の海が広がっている
絶望に蝕まれた私は
蠢く名を刻む黒曜石に寄りかかり
ただただ、両の手で
顔を隠すことしか
出来ずにいた・・・・







byキケロ