あちらがわ
疲れているのだろうか
時々
私の片目は
大きな
大きな太陽を目の前にしていることがある
疲れているのだろうか
私の片目は
真っ赤な
真っ赤な夕焼けに燃える私の後ろ姿を
見ていることがある
見覚えのない景色が
どこまでも続き
潤んだ瞳のように揺れ動く
炎の塊は
焦がすばかりで熱を帯びず
ただただ
私の経過を見守るばかり
夢なのだろうか
現実なのだろうか
判らなくなる
疲れているのだろうか
時々
私の両の耳は
聞きなれない声を聴く
疲れているのだろうか
時々
私の両の耳は
その場所には無い
別の場所の音を聞く
別に気にも留める必要はない
ただ、周りには人がいない
風の音
電線がそれを切る音
私の溜息
車が駆け抜ける音
其れしかないはずの空間に
誰かが誰かと話をしている
聞き取れることもあれば
何を言っているのが
ノイズに邪魔されて聞こえないこともある
見渡すが存在はない
振り返るが誰もいない
孤独なようでそうでもないような
不思議とふわふわと
そわそわとする感覚に包み込まれる
これは
夢なのだろうか
現実なのだろうか
判らなくなる
あぁ、これはあれか
私が壊れてきているのか?
あぁ、これはあれか
俗にいうあちらがわというものか?
現実に在り
現実から逃げる術を
私の心は
生まれる以前から
持ち合わせていたらしい
今でなくとも
死ねば歩くその道へ
片足、放り投げてみているのだとしたら
随分と
随分と変わった世界だと
想う
空っぽの空に
在りもしない蒼を創り出した
海のように
きっと
この変てこな感覚は
どこからか届いた
手紙のようなもの
としておこうか
そうでなければ
私自身が
変てこになってしまったのだろうな・・・
byキケロ