骨の人
私は、恋の詩を綴りたい
命の詩も、愛しさもいいな
暗がりに
落ち始めた雨粒が砕け散る
飄々と吹く風が
突如、唸り声を上げたかと思えば
遠吠えを
延々と遠々と轟かせた
小さな灯火の影で
古ぼけた紙に
すらすらと書き綴る心情
その隅に
すらりと書いた本音が
流れもしない涙を
雨という形で
描いてしまったに違いない
憎しみが私を創り
怒りが私の姿を決めつけた
怨念がそれを浮かび上がらせ
虚しさが私を呼ぶ
夥しい悲鳴と
積み重なった
許さない、という言葉
黒い文字を更に深く
恐ろしく漆黒に染めて
また新たなページへと進む
見渡して
過行く時の中には
勿体無いくらい美しい時間があるのに
人々の営みは
まるで血の海の中で暮らす異常者としか
認識できない
あの笑みはどこから・・・
あの行動はどんな意味が・・・
眺めれば眺めるほどに
沸々と言い表せない感情が
がりがりと音を立てて手元の紙を傷つける
あぁ、恨めしい
あぁ、恨めしい
あぁ、恨めしい
あぁ、恨めしい
あぁ、恨めしい
叶わぬという事が
どこまでも私を堕としていく
そして
時折現れる、私を追い出そうとする者へ
私は求めた
その肉の身体をよこせ
その魂をよこせ
おまえたち、血だまりの世界は
私にこそ相応しいと
だが・・・
何もせず、訳のわからない言葉を並べ
塩と酒を振りまいて
追い出したと言って帰っていく
その者たちの満足げな笑みに
欺かれたと知らず礼を言う人々を眺めた
滑稽
滑稽なその姿に
呆れ果て
私は、また書き始める
そして
いつかいたかも忘れた
本音のようなものに気が付いて
蟲の音が響く
夜闇へ
びりびりと引き裂く音を
容赦なく垂れ流した
by銀翼のキケロ