心の砂音
白海の果て
砂嵐の中で見た
向こう側の幻は
時が無く
止まったかのように進む世界でした
私とあなたの物語は
どこまで続くのでしょう?
ふと、隣に感じる温もりへ
聞きたくなることがある
私とあなたの物語は
何所へ進んでいるのでしょう
この子もいつか
この船から旅立っていく
そうすれば、私と二人きりの時が
またやってくるでしょう?
そうなった時
ふと、思ってしまうの
ねぇ、私が居なくなったら、寂しい?
って・・・
はっと、気が付けば
夢のまた夢
暗くともわかる消毒液の匂いに満ちた部屋の中
心の砂音が
さらさらと落ちて
どこまでも落ちて
戻らない
解りやすく刻む精密機械の音が
あなたのいない部屋の中で涙を誘う
長くはない
長くは、ないのね
そう、呟いてしまうほどに
会いたいと願うその時は
誰もいない白昼の彼方へと続く道
耳障りな音も止まり
どこまでも続く青と白の世界
きっと、あの砂嵐は
生きていた証なのではないか
そう考えてしまう私が居る
だって、もう
苦しくも寒くもない
あるのは
もう会えないだろうという
曖昧なのに確かなもの
鏡のような大地に
幾ら波紋を描いても
あなたにも、あの子にも会えない
どうしてだろう
とても楽なのに
とても楽しくない
たった一人ボッチで
ここを歩き続けなければならないのか
たった、ひとりで・・・
白海の果て
砂嵐の中で見た
向こう側の幻は
時が無く
止まったかのように進む世界でした
二度とざわつくことのない
静けさだけが漂うこの場所は
零れ落ちた砂すらも
覆い隠し
生きていたのか
そうでないのかすらも
わからなくしてしまう美しさで
其処に広がっている
by銀翼のキケロ