みちくさ
ぼくは
そんなに意志が固いわけじゃない
ありふれた石のように
どこにでもある存在で
あの子
あの人のような
特別なものを持っているわけでもない
普通であるような
そうでないような
曖昧な空間の中で
一つだけ確かなこと
この夕焼けを見ているのは
僕という人間で
ここに独り
座って、みちくさを楽しんでいるのは
僕という存在だ
帰り道という
一本道から
一歩外れて
今日と言う時間を振り返ることもあれば
全く違うことを考えて
のうのうと雲を眺めることもある
学校という賑やかで
退屈な時間の外側で
僕は
一人
僕は
独り
隔離された透明な箱の中から
多分
全く別の世界の
そらを眺めているのだ
短い髪を
風に撫でられて
月の瞳が山向こうから覗き込む
そのときまでずっと
ただただ無駄に
時間を消費する
by銀翼のキケロ