虚空
午前三時を回った
静寂(しずか)だ・・・
長い、長い直線
炎天下の道の中に居るようだ
右を見るにも
左を見るにも
動かすごとに重さがあり
抵抗がある
動かしたくもなくなって
揺らぐ世界を
不思議な感覚に包まれながら眺めている
自分が何者かすらも忘れてしまって
真っ黒な瞳で
砂嵐を眺めることもある
時々
不思議なものを見る
いくら待っても
いくら閉じても
眠気が来ない
眠れない
この瞳が
在り得ない青空を見ている
雲が下から上へと流れ
私と影は
その場に張り付けられていく
何人もの手に
押さえつけられているかのようだ
なのに気味悪くもない
恐怖心すらない
在るのは
押さえつけている手を
切り刻みたいという
欲求と意志
そしてそれから得た答え
活けるものを殺せば罪になる
だが
死せるものを殺すことは罪にはなるまい
曖昧で
仏の教えとは背するが
逆立つ毛が感じる
近付いた何者かが
どこか遠くへ行ってしまう
あぁ、もっと近づいていればいいものを
あぁ、もっと私を押さえつけていれば
面白いものを・・・・
夜なのか昼なのかもわからない
見上げた其処は蒼
虚空に浮かぶ月は
本物だろうか
偽物だろうか・・・
項垂れていくけれど
まだ、まだ、開けぬ心の闇
先は長いようだ・・・
by幻想師キケロw