紅海月
さざ波に揺れた
故郷の唄
小さな焚火に
浮かぶ
君と僕の祈る顔
願う姿
永遠に舞う
桜の幻は
闇夜すら塗り替えて
頬を
紅く
紅く
染め上げる
重なり合う
心には
太陽よりも朧気で
この海に浮かぶ月より
曖昧な行く先が
ほんのりと
ぼんやりと
輝いて
どこかへ流れていった
打ち寄せられた無数の花弁は
どんな夢を見ていただろう
打ち寄せられた
無限の願いは
どんな幻を追っていたのだろう
無色透明な心を
紅色に染めて
ゆらゆらと
ゆらゆらと
波間に浮かび
月を見つめる
二人の瞳
溜息と香る酒気に当てられて
寒さも虚しさも
無く
ただただ、手を握り
確かめ合うばかり
あぁ、好きという想い
愛するという気持ち
痛みの先に
笑う時間が待っている
安心と不安が入り乱れ
海月の足のように
地に付かず
何かにすがろうと
闇世に垂らした
僕らの影だけが
其処にあった
by幻想師キケロw