言葉足らず
一言、足りない
たった一つ
幸せというものを
伝えたかっただけ
なのに、どうしてこうも伝わらない
ギシリと歪む奥歯
重く俯くこの瞳
その中から消える影
理解されず
理解されぬまま
僕は、大人になった
変わらぬ顔
仮面は笑う
矛盾して当たり前
選ぶことも当たり前
おだてたり
蹴落とすことも
この世界では当たり前
悲しくて俯くよりも
笑いを含みながら俯くことの方が多い
いつからだろう
ちがうだろと自問自答する時間が増えた
いつからだろう
顔すら思い出せない君の幻が
チラつきだした
好きだったと過去形で
懐かしむ独りぼっちの帰り道
もしも、やり直せるなら
あの時、伝えきれなかった想いの欠片を
継ぎ足して君に伝えたい
届けたい
今更に溢れ出る後悔と本音
酔いに更けた独り言が唄のように
しとしとと落ちて、流れた
観客は、そう・・・
遠い山の上の、月、一つ
たった、一つ
by幻想師キケロw