不幸の翼
旅立つ世界は
この場所よりも素晴らしいだろうか
一人黄昏る
わたしだけの
秘密の場所
街並みが、一望でき
その奥には
蒼く広がる海と空がある
死にたいと願い続ける
その心には
あまりにも美しく
あまりにも勿体無い
宝物
けれども
いざそれが目の前に転がってくると
拾っていいものかどうか
迷う自分が、居る
魂が、この身体を捨てて
外に出たがっているのが解る
中途半端に広がった真っ白な羽
背中で必死に足掻いている
矛盾して
私を作り上げる感情は
留まらせようとしている
ずっと見たかった世界がある
ずっと逝きたいと思った世界がある
なのに握ることのできるのは
夢・・・
いつまでここに居ればいいの?
いつまでこの身体に入っていればいいの?
そう投げかけてくる
不幸の翼
この姿が
天使というのなら
この姿が
天使というのなら
美しくも輝かしくもない
下手な蝋細工の人形よりも醜く
下手なコスプレよりも酷い
誰にも見せられない
異形の化け物としか
表現できないのだ・・・
ずっと願った場所がある
誰にも言えない夢がある
なのにどうしてこうも
後ろめたさが在るのだろう
その手を取って
あの星空に
舞い上がってしまえば
後悔もなく
きっと素敵な幻を見続けられる
戸惑う何かが在るのだ
なにか、そう
なにかが、そう
逝かないでと、抱きしめて
離さない
何かが、在るのだ
by幻想師キケロw