手紙 | 梟霊のブログ

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適当に詩をUPします。
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とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

手紙



帰郷した
一枚の手紙を受け取ったからだ

祈祷した
一つの終わりがそこに在ったからだ

大切な、大切な人の
歩みが止まる瞬間
白衣も、私も
何より家族も
息を潜め
やがて
大きな溜息となって
部屋の中へ流れ出た
嫌な汗を、流した
我儘な涙を、流した
淡々と進んでいく
時計の針と鼓動が
恨めしく思えてしまう
けれども
覆ることもなく
静かに
それが告げられた・・・


溢れ出る生命の夏
去りゆく者もまた輝くものだ
火葬場に流れる
名も知らない曲と
独特な匂い
その中に、なぜ立っているのか
未だに、理解できていない私が居る
頭をなんど下げたことだろうか
真っ白に
本当に真っ白になっていた
こころも
おふくろも・・・


失ってからの年月など
私の時間から例外なく
切り取られていく
それも、かなりの速度で
気が付けば
一年だろうが
十年だろうが
容赦なく過ぎて
青白く見えた
おふくろのモノクロ写真も
微かに黄ばみ始めていた
そういえば
私にも白髪が増えたなぁ
妻も、すこし
ほんの少し、ふっくらしたように思える
あの日あの時
おふくろのタンスから見つけた
私宛の手紙にも、書いてあったっけ
親の死と、子供らの結婚さえ見てしまえば
あとは自分が死ぬだけ
ゆっくりと後悔なんて
つまらないものを残さないように
好きなように生きることって
おふくろ
んなこといってもよぉ
やりたいことってな?
そうなってからのほうが
多いものなんだよ・・・


拝啓
子供たちへ
私が、死んだあとは
子供たちの成長を見つめ
ちゃんと自立したことを見届けてから
自分へのご褒美として
好きなことをやりなさい
父さんも、母さんも
似たようなことを
父さんの母さんや父さんに言われましたが
実のところ
こう
やりたいことって
そうなってからのほうが多いです
賭け事なんかはほどほどに
趣味も自分が苦しくならない程度に
笑顔で、過ごすことを心掛け
余生を楽しんでください
先に逝きますが
また、あの世で会えたなら
酒でものんで
語り合いましょう
では
さようなら




by幻想師キケロw