蒼の迷宮
懺悔
懺悔・・・
七色のガラスから
十字の影が伸びている
その下に
本当の影があり
後光を背に俯いていた
綺麗な歌声だった
憂鬱な気分を晴らすには
ちょうどよかった
美しい気配だった
混迷する思考を零にするには
ちょうどよかった
でも
場違いだと感じた
私の居場所ではない
確かな感覚として
横たわっていた
ふと湧き上がる
憎悪
憤怒
嫉妬
悲哀
洗われたその先から
何かを隠すかのように
次々と
その中に嫌悪はないというのに
私には
とても、とても長い時間を
過ごせる場所ではなかったのだ・・・
あぁ、まるで烏(カラス)だ
大空を自由に飛ぶが
休む場所が無い真っ黒な烏だ
探しても
探しても
この青の迷宮には
止まり木すらない
白く純粋なものも
見えるだけで掴めない
残った運命だけが
この両眼を通してはっきりとしていて
虚しくなる
懺悔など意味はない
祈りなど意味はない
飛ぶことだけに夢中になった
その後悔がそうさせるに違いない
ただの夢
ただの理想
落ちていく現実から逃げるための
気休めにしかならないのだ
ありのまま
その言葉に偽りはないだろう
だが、その意味に
気が付いているのだろうか
遠のいていく讃美歌を
曲がりなりにも口ずさむ
聞こえないほどの小さな声で
そこに想いはない
無機質なまでの音楽があった
私の歩く先に
多分、縋り付くほどの必要性が
無いからだろう、な・・・
by幻想師キケロw