思い出の樹
思い出の棺の中に
今も眠る
君
其の寝顔は
安らかで、美しい
青空の下
緩やかな時の中で
誰かが歌う
レクイエム
私は、その傍らで
おはようと言ってくれそうな
いまだに柔らかい唇に触れ
癒えることのない眼差しを向け続けている
あぁ、今日という日
最後の言葉は何もない
悲しみを抱いて植えた
一本の菩提樹の苗
花咲くころに
私も、そちらへ逝くだろう
指輪の中から月を眺め
私も、誰かの棺の中に眠ることはあるだろうか
君のように
静かで、穏やかな心の中で
眠り続けることはできるだろうか・・・
いや、なにも望まない
叶わなかったことを
世界の果て
君と二人
誓いをここへ、と知らない牧師の下で
誰も知らない丘の上で
行うのだから・・・
幸せな夢と冷たい墓石
一本の蝋燭と
一本の線香を
動くことさえ忘れ
捧げるのだった
by幻想師キケロw
菩提樹:花言葉