ひとつ
夕暮れの
大きく揺れる木陰
遠くに光る何かの建物
俯きながら
自らの影を踏みしめ
ちらり
ちらりと
顔を上げた
じりじりと太陽が背中を焦がしても
こころまでは黒く染めてくれないのだ
どうすればこの想いを
押さえつけられるのだろう
この恋という
たった一つの感情を・・・
ため息が
嵐の夜をかき消した
鼓動が
眠れる唄を打ち消した
動かぬ瞳に
揺れる想い
冷めてはくれぬ
君への感情
否定して
否定して
起き上がっては
また倒れこむ
歯痒さに
蹲り
気がつけば
朝を迎えていた・・・
たったひとつの
恋のせいで
君は遠く
君は、遠い
手を伸ばせば
触れる距離でも
世界が、君を逃がしてしまう
時間ばかりが
私に後悔を刻み込み
ついには言えぬまま
帰路に立つ
向こう側にいる姿が
どんどん小さくなって
見えなくなって行くのと同時に
この感情も
徐々に細くなり
ついには
ぷっつりと切れてしまった
今は、ゆっくりとした思い出の中に
ひとつ、ひとつ仕舞い込んで
恋に笑える
大きな私がいた
by幻想師キケロw