待ち人
昼下がり
風も無いのに
舞い降りた一枚の葉
ゆらゆらと立ち上る陽炎
降り注ぐ日差しと蝉時雨
見上げた空はどこまでも青く
遠くの入道雲すら染めてしまいそうなほど
美しいものだった
手のひらに乗せて
見つめたその葉は
不思議な形をして
なんとなく和んでしまう
暑さでダラケたYシャツも
沈んだ顔も
一瞬で持ち上がり
駆け出したい気分だ
そう、今すぐにでも
いつまで待っても
バスの姿は見えない
誰もいない待合室に
私と不思議な葉っぱ
太陽に透かしてみたり
抓んでくるくると回してみたり
携帯でも取り出して
仮想世界につないでしまえば
暇つぶしなんて幾らでもできるのに
そのときだけは
時間と
君の着信がないか
確かめるだけで
開くことが無い
開いては閉じて
クラクションの後に
通り過ぎる
繰り返す光景
いつまで待てば
君の笑顔がそこに居るのだろう
もう日陰に逃げる場所なんて無い
夕暮れ
いつ落ちてしまっても
おかしくない
太陽と私の心
蜩のように沈んでしまっても
おかしくない
私の想いと顔
それでも
ここを、立ち去ろうとしないのは
胸躍る期待が
とくんとくんと笑っているから、だと思う
by幻想師キケロw