酔難
刻まれた記憶と
鮮やかに彩られた思い出が
一枚の壁を隔てて
揺れていた
押し寄せては
引いていく波を見つめ
君の帰りを
無言で待っていた
賑やかな浜辺に
私の足は
恐ろしくゆっくりと近寄っていく
賑やかな人だかりに
私の腕は
恐ろしくゆっくりと割り入っていく
身体の半分を波に漂わせ
身体の半分を砂の上に乗せて
青白い空のような肌を晒し
静かに微笑む
君がいる
この世界には空気など無かった
そう思えるほど
苦しく
そう考えてしまうほど
絶望した
私の中で
何かが壊れ
表に何も出すことができず
そっと抱き寄せることだけが
無意識
そう、無意識に身体を動かした
抱き寄せた君の体温に
穏やかに蝕まれていく
冷たく
重く
胸の高鳴りが
静かに途絶え
ずきずきと突き刺してくる
輝かしいまでの時間が
嘘のように崩れ去り
混ざらないはずの二つが
入り乱れて
幻を創り上げた
奇声とも受け取られよう
まだ生きていると叫ぶ私は
誰よりも熱い涙を流す
そう・・・
きっと誰よりも
誰よりも・・・・
熱い・・・
その後のことは
真っ白で何も覚えてはいない
気がつけば
ぶつぶつと何かを呟きながら
海の果てを睨みつけている
胸に残る冷たさを抱きしめて
テトラの一角に座り
睨みつけている・・・
あたしは、だあれ?
わたしは、ダアレ?
ダアレ?だあれ?
最初から居なかったんだよと
諭して来る風に
問いかけて
ようやく
大粒の涙が
一つ
二つと
零れ落ち
受け止めきれない現実に
一つ
二つと
苦い何かを
吐き戻した
by幻想師キケロw
昨日、実はようつべでホラー動画見てたら、たまたま水難事故の奴あって・・・眺めてたら、ふと浮かんだ詩です。