合掌
手を合わせ
瞳を閉じた闇に
己を映し
見つめ合う一時は
ぶつかり合う意思も
重なり合う声も
邪魔なものでしかなく
鳴り響く鈴の音だけが
唯一の調べとなり
光となり
降り注ぐ
霞の影の向こう側
己の姿ではない何者かが
揺らめき
蠢く
溶け合う視線に
強く、強く念を乗せ
その名を問いただす
繰り返し
繰り返し
やがては、自然と
闇が開け
元の場所へと還る
合掌
仏への敬いだけではない
合掌
神々への都合のよい祈りだけではない
合わせたものが
向かい合う
境界でもあるのだ
答えを知りたいと求めれば
己を知りたいと願えば
合わせ
閉じれば
静寂と場所が用意され
気の済むまで
語り合うことができるだろう
自分と言う
他人と・・・
by幻想師キケロw