帰らない黒猫 | 梟霊のブログ

梟霊のブログ

適当に詩をUPします。
評価に、興味なし
フクロウ大好き
きのこ大好き
山菜大好き
ハーブ大好き
とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

帰らない黒猫
(′・ω・)第八話、猫に戸惑う猫(そのはち)
 
 
 
 
 
「あら、黒ちゃん。すいぶんゆっくり降りてきたのね。だめよー?だらけちゃったら太っちゃうんだから。ふふ。」
そういって、弥勒の母親は足元にいる私の毛並みを、満遍なく撫でる。笑顔はとても眩しく、それでいて、どこか悲しみを含んでいる。
「今日はね、あそこの玉葱の入った袋持ってきて?それと、新聞紙と・・・、あとあれも!」
じっと見上げていられるかと思いきや、早速、指示が飛ぶ。弥勒だったなら愚痴の一つも溢していられようが、彼女に言葉が通じるとは思えない。いや通じない。だるそうにしていれば、急かされるし、逃げようとしても、首の糸が邪魔をする。結局は、従うしかないのだ。
「あ!そうそう。黒ちゃん。あの子の教育係頼めないかしら。」
「はい?」【ニャッ・・・?】
パタパタとせわしなく動いているかと思いきや、玉葱の袋を引き摺っている最中に訳の判らないことを言い始めた。なんでも、昨日の買い物の帰り、美味しそうな黒饅頭を拾ったらしいのだが、饅頭ではなく、ぬいぐるみみたいなもふもふで可愛い私のようなものらしい。彼女が指差す場所を、玉葱袋を放して見てみればなにやら私が三匹ほど余裕で入るほどの鳥かごのようなものに、バスタオルが厳重に幾重にも掛けられており下にはダンボウルの潰れたものが敷かれてあった。しかし、何かが居る気配があるかといえば何も無く。かすかに、同属のような匂いが鼻をかすめるくらい。なぜ、かすめるくらいと半端な言い分にしたのかといえば、今の人の家と言うものは、花やらなにやらの香りがまぜこぜになって漂っているからだ。しかも、あれほど厳重に被せられては、わかるものも隠れてしまうというもの。私は、気になって駆け寄りたい衝動を抑え、興味の無い不利を演じ、そのまま無言で手伝いに戻った。