愚極
親しくも
その心の内で湧きあがる
好奇心を抑えきれず
微笑みかけていても
むやみに溢さぬ本音を
静かに燃やす
限りなく純粋で
限りなく愚かだからこそ
この瞳に映る
美しき君の姿を
歪ませてみたいと
考えてしまうのだろうか・・・
私は
愛していると
交わし合うこの空間を
一瞬で冷ますことは容易だ
肩と肩を触れ合わせ
共に、流れる景色や時間を
突き放すことは容易だ
漆黒の鞘に収められた
愚極の言葉を抜けばいいのだから
ただ、その引き抜こうとする右手を押さえる
この左腕は、きっと本当の私であり
心と言う私の、一番弱く、一番透通るところなのだろう
君を失えば
私は、絶望し、泣き崩れるのだろうか
君を壊してしまえば
私は、満足し、快楽に溺れるのだろうか
その華奢な身体を抱きしめて
重ね合わせた唇の影で
じっと見つめる
もう一人の私
この世界にそれを映す鏡があったなら
一体どんな姿、顔をしているのだろうか
この想いの中で燃える
慈しみや愛おしさを
にやにやと笑いながら
水を投げては遊ぶ
悪戯で済まされるのなら
如何にほほえましいことだろう
だが・・・
それだけで心は変わってしまうのだ
消えてしまったその時
私は、私で在りながら
別の人と成り代わり
最愛に背を向けることだろう
だからこそ
怖いと思えてしまう
知らなければ良かったと
後悔してしまう
絶望とはどこから顕れ
希望とは、いつから輝き始めるのだろう
悪魔や幻
夢や、神
そんな曖昧な存在の中で
描かれては
朽ちてゆく
なぜなら、人が認識しているもの全ては
たとえ全知全能であっても
人が居なくなれば
消えてしまうのだから・・・
あぁ、虚しい
あぁ、儚い
記憶というものが
知識と言うものが
紡ぎ、伝えるということが
何れ終えると判っていても
何れ途切れると解っていても
その瞬間まで
続いてしまう
これは理性の中の本能なのだろうか
君の温もりを感じながら
安らかな眠りの中で見る
からっぽの空の世界
真っ青で美しく
純粋でいて
何もない
其処に押し寄せる不安が
君への愛なのだろうな・・・
by幻想師キケロw