帰らない黒猫
(′・ω・)第八話、猫に戸惑う猫
ジワジワ私ににじり寄ってくる陽の光を、のそりのそりと陽陰に逃げるを繰り返す今日この頃。いつものことながら、弥勒の部屋にでも逃げ込めればいいのだが、夏期講習やらに出なければならないというから、何を思ったのか付いて来てしまった。はっきり言おう。講習という授業は、つまらない。教室に全員が座っているわけでもなく、私の好きな現代文や賑やかな英語とも異なり、課題と呼ばれる紙切れを、無言でひたすら解いていくだけなのだ。教師は、と言うと。時計を、ちらちらと眺めては、自分の好きな本を見ているか、やけに平べったい【のうとぱそこん】というものをいじくっているかで始と終わり以外に声を出さない。よって、今の私は、猛烈に後悔の真っ只中にいる。
「はぁい、終了。次で最後だ。気を抜くなよぉー。」
【やっとかよぉ。】
【マジダリィ・・・。】
【早く、コンビニいきてぇ・・・】
「はぁ・・・。あっちぃ・・・。」
「なぁ、弥勒・・・。」
「なんだ?黒・・・。」
「外、・・・・いっていいか?」
「・・・・。どうぞ・・・。」
こうして、とろとろと教室を後にした私は、学校の中を改めて探索するのだった。
私の耳が、はいこれで今日の最後の授業だという声を、グランドの端っこの木陰で捉えていた。蝉は、元気よく唸り。気を抜けば私の頭上でもミンミンわいわいと賑わう始末。幾ら、よじ登り追い払おうと、端へ端へと逃げていき、終いには小枝の、しかも、葉っぱに掴まってどうしようもなくなってしまう。こうなると、追い払うことできず。その場で、ぐったりとだらけるしかない。
「あぁ、あと50分か・・・。長いなぁ・・・。赤テンとやらを採らねばこんなことには・・・。」
大きな溜め息を突きながら、ぽつりと、愚痴を溢した。